こんにちは。
渡邉ひとしです。
企業事例[第347話]のテーマは
「新分野の技術開発体制の強化」です。
(*写真はイメージ写真です)
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<トヨタ自動車>の創業者が設立した会社
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1934年に
創業者である豊田喜一郎氏が
自動車開発のために
<豊田自動織機製作所>内に
試作工場と製鋼所を建設しました。
この時に
「自動車部」と「製鋼部」が設置され
1937年に
「自動車部」は
<トヨタ自動車工業>として独立しました。
1940年3月に
「製鋼部」は
<豊田製鋼>として独立しました。
1943年5月に
「知多工場」(愛知県)の
操業を開始しました。
1945年11月に
<豊田製鋼>を<愛知製鋼>へ
社名を変更しました。
1964年に
鍛造工場の操業を開始しました。
1987年に
デミング賞を受賞しました。
2010年に
「関工場」(岐阜県)の
操業を開始しました。
2015年9月に
<ユニチカ>より金属繊維事業を
譲受しました。
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<愛知製鋼>のビジネスモデル
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2018年1月に
鍛造品の生産ライン1本を愛知県東海市の
工場内に増設すると発表しました。
自動車用部品のギアとして使う鍛造品で
ハイブリッド車や電気自動車などで
増えている需要に対応する考えです。
新工法を採用することなどで
設備をコンパクトにすることで
生産能力が15%向上する見込みです。
同じく2018年1月に
愛知県刈谷市の刈谷工場の建屋の保存工事が
3月に完了すると表明しました。
刈谷工場内の通称「A1建屋」は
創業者である豊田喜一郎氏が中心となって
「A1型試作乗用車」を作り上げた
初の乗用車試作工場で
<トヨタ自動車>の第1号車が誕生した
「創業の地」になります。
2018年2月に
「2018年3月期」の見込みを
表明しました。
増収増益の見通しですが
製鋼に使う電極などの資材や
エネルギー価格の高騰を懸念しています。
これらのコスト高の販売価格への転嫁は
『取引先にこれからお願いしていく』
と知野広明常務執行役員は述べています。
同じく2018年2月に
自動運転など次世代車技術の開発を
加速する方針を明らかにしました。
2020年度までの中期経営計画では
自動運転技術や電動車用部品の開発など
スマート分野に布石を打つことを柱に掲げて
設備投資も積み増す考えです。
『単なる素材や部品のメーカーでは
立ちゆかなくなる……』と
<愛知製鋼>の藤岡高広社長は
危機感を述べています。
さらに2018年2月に
自動運転技術の開発を手掛ける
<先進モビリティ>と<浙江愛智機電>
の2社に出資すると発表しました。
<先進モビリティ>とは磁気センサーを使った
自動運転の実証実験を共同で手掛けており
資本参加で連携を深める狙いです。
中国で磁石の成形を手掛ける
<浙江愛智機電>とは
中国で磁石を安定供給することや
将来の電気自動車用モーター向け磁石への
本格参入を目指しています。
2018年3月に
愛知県東海市にある新本社のホール棟が
完成したことを発表しました。
会社の歴史と「ものづくり」を紹介する
展示ルームやガイダンスホールなどがあり
400人規模の大ホールも備えています。
一般向けの工場見学なども始める予定で
地域にも開放することで
新しい情報発信拠点にする考えです。
2019年3月に
<トヨタ自動車>の第1号車が誕生した
創業地である刈谷工場の旧試作工場が
建造物の登録有形文化財になると
表明しました。
産業系の登録有形文化財は
刈谷市では初めてになります。
<愛知製鋼>は……
「トヨタグループの原点といえる建屋を
大切に受け継ぎ創業の心を伝えていく」
と表明しています。
2018年4月に
電気自動車などに使われるモーター向けに
新たな磁石を開発すると表明しました。
従来品より30%強力な磁粉を作ったことで
モーターを小型軽量化できるため
電動車の走行距離の改善が期待できます。
<トヨタ自動車>は2030年までに
世界で電動車の販売比率を
50%に高める考えのため
<愛知製鋼>は基幹素材の磁石を
新たな成長分野と位置付けています。
すでに国内外の大学と共同で
原料の磁粉を研究していて
2025年をめどに
新たな磁石の実用化を目指します。
2018年6月に
5人の相談役・顧問をゼロにしました。
企業への意思決定への関与が
不透明との指摘があり
相談役・顧問などの制度を
見直す動きが広がっています。
2018年11月に
岐阜県各務原市の岐阜工場で
新生産ラインの竣工式を開きました。
電動化への対応のため
ハイブリッド車や電気自動車に使われる
銅製の放熱部品をつくります。
2019年1月に
鉄スクラップなどの原材料や
電極などの副資材の高騰のため
営業利益を押し下げる要因に
なっていると表明しました。
2019年2月に
独自開発した高感度の磁気センサーを使った
自動運転の事業化に乗り出すと表明しました。
GPSの電波が届きにくい場所でも
正確に車両を誘導できるのが強みで
2020年度の事業化を目指しています。
2019年6月に
ドローン用モーターを<沢藤電機>と
共同開発したと表明しました。
レアアースのうち希少性の高い
「ジスプロシウム」を使わない磁石を使った
ドローン用モーターのため
従来よりドローン1機あたり
30%程度軽くなり
長時間飛行が可能になりました。
将来的に電気自動車ホイールの中に
モーターを備える「インホイールモーター」
にも使える可能性があると期待しています。
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株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
未来志向型経営コンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
渡邉ひとし
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