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インド女性のファッションはサリー。これは割とよく知られていると思いますが、男性のファッションは?

 

男性のファッションは「ドーティー」といい、これもまた何千年もの歴史がある伝統衣装で、用途に合わせて様々なスタイルで巻かれます。

 

 

インド独立運動で有名なガンジー氏は日本でもよく知られていますよね。彼が巻いていたのは百姓など、貧困層が巻くスタイルのドーティーです。ガンジー氏は若いころ、弁護士だったのでイギリス式の服装をしていましたが、人生後半に、インドを英国から独立させるなら、植民地時代の搾取によって貧困状態に陥ったインドの大衆を代表しなければならないと思い、ドーティーを巻くようになったと思います。

 

写真:ガンジー氏(真ん中)とインド独立運動の他の指導者たち、1939年

 

以下ドーティーの巻き方を紹介したビデオです。地域などによって、色んな巻き方がありますが、ほぼ全てのスタイルで、長さ4.5メートル、幅1.2メートル位の一枚の布が使われます。夏には涼しいかもしれませんね。

 



 

「ドーティーを巻くのはいいが、トイレはどうする?」ドーティーを巻いたことがない若いインド人はこういう質問もあるみたいですが、心配不要だと思います(笑)。

 

 

インドの伝統衣装は、サリーと言え、ドーティーと言え、ショールと言え、一枚の布を使って色んな巻き方をしているところは特徴的ですよね。昔のインドでは裁縫が知られていなかったかと思ってしまいますが、考古学や昔の文面などでは裁縫の証拠が見つかっているようなので、知られていなかったわけではないと思います。

 

ただ、裁縫不要な服装の方が人気だったことは間違いないですね。宗教上も裁縫が良くないと思われているようです。今でも、一枚の裁縫されていない布を巻いてしか入ることが出来ないお寺などがあります。面白いと思いますが、その理由について私も良く分からなく、いつか分かればまた共有させていただきます。

 

20世紀は、世界各地で洋服が流行り、伝統衣装が着られなくなりましたが、インドでも、事務系の仕事などをはじめ、伝統衣装が捨てられ、洋服が取り入れられました。しかし田舎の人は今でもドーティーを巻いています。また、都会の人も、伝統的な場や、自宅でくつろいでいる時などは、ドーティーを巻いています。

 

インドの暑い気候を考えると洋服は合わないと思いますが、世界各地でビジネスの場は洋服と決まってしまっているし、ファッションの場でも西洋のファッションが主流となってしまっていますね。インドでも、特に男性ファッションに関してはそれが言えますが、最近、ファッションとしてもドーティーがまた流行り始めているように思います。

 

もっと読む:サリーの巻き方