インドの民俗衣装で女性が着る「サリー」は有名ですが、日本人(女性)の観光客にも人気のようですね。
サリーは大昔から着られている服装で、その着方は地域によってさまざまで、全て美しいと思いますので、今日はいくつか紹介しようと思いました。(以下、私が作ったビデオではありませんが)。
(1)南インドAndhra Pradesh州の「nivi」と言うスタイルで、今や全インド共通のスタイルともなっている。
「nivi」の他、「ulta palla」と言う名前でもしられるスタイル。
(2)東北インド, Assam 州の着方で、「mekehla chador」と言うスタイル。
(3) 西インド、GujaratやRajasthan州でよく着られる、「seedha palla」と言うスタイル。
(4)南インド、Tamil Nadu州の特に田舎の女性が着る「pin kosuwam」 と言うスタイル。
(5)東インド、West Bengal州の「atpoure」というスタイル。
サリーは一枚の布で、標準寸法は長さ5.5メートル、幅1.2メートル位です。この寸法は色んな体系の人にフィットしますので、サイズやフィット感を気にしなくてよい服ですね。今や世界各地で伝統服装よりも洋服を着る人が一般的になっていますが、インドではまだ多くの女性が伝統衣装を日常的に着ています。
1928 年のイラスト:インド各地で女性が着用するさまざまな民俗衣装
インドは昔から手織りの自然繊維(シルク、コットン、ウール等)の産業がその豊富な種類、繊細な染織技術、高品質等で世界的に有名でした。歴史を読むと、ヨーロッパ等の諸外国の貴族の間ではインドの織物が大人気だったことが分かります。おかげで、インドからの輸出が圧倒的に多く、古代ローマの政治家「ガイウス・プリニウス・セクンドゥス」が西暦77年にインドとの貿易不均衡について、「世界の金が全てインドへ流れて行く」と嘆いたぐらいです。
しかし、イギリスの植民地時代、大昔から続くインドの織物産業が系統的に破壊されました。なぜなら、イギリスはインドから原材料(綿など)を採取し英国にもっていき、英国の工場で機械で織られた繊維を膨大なインド市場に売り込んで利益を上げる政策だったからです。そんな不公平な政策を実行させるためには、インド各地で織機が壊されたり、職人の親指まで壊されたり、残酷なことがされたことが知られています。
幸い、独立後インド各地で伝統的な手織り自然繊維産業が再び盛んになっております。以下、インド各地の伝統的なサリーの種類がいくつか紹介されています。その特徴などについては次回詳しく紹介します。
以下、インド自然繊維の歴史を紹介したビデオです。「設定→字幕→自動翻訳→日本語」を選ぶと、日本語で字幕が見られます。
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