だいぶ前の話題になりますが、月組公演『侍タイムスリッパー』の配信感想を今さら記します。





 原作映画が大好きな私、鳳月杏さん=ちなつさんなら、あの無骨で一途で可愛らしい高坂新左衛門を魅力的に演じてくれると期待しておりましたが、もう期待通り過ぎて…笑い泣き

 ちなつさんのあの滴るような色気をすべて封印し、幕末から現代の太秦へとタイムスリップしてきた侍のおかしみと悲哀を、映画で高坂新左衛門を演じた山口馬木也さんと同じ実物感で魅せてくださいました。

 優子ちゃん役の天紫珠李ちゃん。自分が美人だってことに全然気づいていない時代劇一筋の女の子を、とても微笑ましく演じていました照れまさかのマツケンサンバへとなだれ込む場面で着ていたコート姿が可愛くて可愛くて、キュンキュンが止まりませんでしたラブ

 ちなつさんも、立っているだけであんなに完璧でカッコいい人が、その艶っぽさを完全に封じることがまずすごいし、好きな女の子に対して子供みたいな好き好きアピールを自然に成立させるのがすご過ぎました。あんなに大人の駆け引きが似合うトップスターなのに驚き驚き


 2番手の風間恭一郎役、風間袖乃さんは、とにかく歌声が素晴らしかったおねがい

 とんでもない美声と、心を鷲掴みにするような表現力でした。

 高坂さんと違い、風見恭一郎(山形彦九郎)が現代にタイムスリップしてからのことは、詳しく描かれない。しかし、風間さんの歌声から、もう戻れない絶望と、誰とも分かち合えない孤独がありありと伝わってきました。

 そして、高坂新左衛門と風見恭一郎が真剣での立ち合いを終えた後、高坂さんが優子ちゃんに想いを告げられずに「今日がその日ではない」と呟くんですけど、それを受けて苦笑する風見さんの大人の余裕がめっちゃくちゃカッコよかった爆笑

 あの瞬間流れる2人の間のなんとも男くさい空気感を、ちなつさんと風間さんがめっちゃくちゃカッコよく演じていて、もう、カッコよすぎてクラクラしそうでしたデレデレあの空気感を女性が生み出すなんて、ほんとにタカラジェンヌって、男役ってすげーな!!!

 

 錦鏡太郎役の英かおとくんは、いや〜、あまりに整った頭身に、目が幸せとはこのことか、と思いました。

 小さな頭に広い肩、超腰高で真っ直ぐな両脚!!!

 中盤突如始まったマツケンサンバで歌い踊る姿がスター過ぎて胸が苦しかった(笑)

 気っ風が良く懐の深い時代劇スターだけれど、風見恭一郎に反感とも言える執着を覗かせるのは、原作映画とは異なるキャラ設定でした。

 しかし、それは尊敬の裏返しであり、風見が時代劇の世界に戻ってきて本当は嬉しいのだろうと感じさせる演技で、3番手として原作よりも物語に食い込んでいく役柄に変更されていたのがすごく良かったと思いました。


 そのほかに思ったこと。

 家老役の夏美ようさん、五月役の花妃舞音さん。

 宝塚オリジナルの登場人物ですが、白虎隊の少年たちを含め、高坂新左衛門が心から愛し守りたいと願った故郷と、そこに生きる人々の象徴がこうして描かれたことで、さらに物語に入り込めました。多くの犠牲を出しながらも生きることを自分たちに許した姿は、高坂さんへの時空を超えたエールのように見えて、とても感動しました。

 高坂さんの殺陣の師匠、関本さん役の輝月ゆうまさん、登場した瞬間から「おぉ、関本さんだ…!!」と感動しました。関本さんがそこにいました。

 所長役の佳城葵さんは名優ですねおねがい月組ファンの方には反感を買うと思いますが、いずれは専科生となって末長く宝塚で活躍する姿を見たいと思いました。

 住職夫妻の汝鳥怜さんと梨花ますみさん。普通のご夫婦のお役で物足りないなんて思ってしまいましたが(笑)高坂さんをどーん!!と丸ごと受け入れて励ますお2人の姿には、説得力しかありませんでした。


 1つだけ残念だったのが、大楠てらくん演じる武者小路監督の場面についてなんですが…。

 高坂新左衛門と風見恭一郎が真剣で立ち回りを演じるシーン。映画では、高坂さんが血判状を携えて監督に真剣を使う許可をもらいに行くんですよね。

 その際、猛反対をする優子ちゃんを叱りつけて2人の思いを受け止めるんですが、そこが、武者小路監督が並の監督ではないと思わせるシーンなので、ぜひ、てらくんにはじっくりとその見せ場を作ってあげてほしかったな、と思いました。


 そしてそして、この舞台で私が最も印象的だったのが、高坂新左衛門の同輩、村田左之助役の美颯りひとくんキラキラキラキラ

 私は月組の生徒さんには詳しくないのですが、下級生ながらトップスターと2人だけの場面をあんなにもらうなんてすごい抜擢だな!!と思っていたら、既に路線として推されていたんですねあせる

 高坂さんとはまた違った一途さを全身で表す冒頭の演技もよかったですが、なんと言ってもラスト!!

 いつもと変わらぬ時を刻む撮影所のセットの引き戸を開けて、忽然と現代に現れた第三の侍の姿が、まぁ素晴らしくて!!!

 白昼夢を見ているかのような表情でほてほてと歩く姿を見た瞬間、「それだ!!!」と震えましたよびっくり

 そう、『侍タイムスリッパー』の幕を閉じるのは村田左之助でなければならない。いったいどんなふうに再登場するのかと思ったら、私的には大正解で感動ものでした笑い泣き笑い泣き

 今彼には目の前の光景がどのように見えているのだろう…と想像したくなるようなリアル感。なんだかわからないけどみんなと一緒に踊り出しちゃうコミカルさ。すごくよかった、すごくよかった!!!

 美颯りひとくん、これから注目します。応援します!!


 最後のショーは、やっぱり宝塚はこうでなくっちゃ!!と胸弾むキラキラギラギラ!!男役はキザでカッコよく、娘役は優美で可愛らしく、専科のお2人はどこまでも重厚で…。

 ちなつさんと珠李ちゃんのデュエットダンスは、2人の美と色気と輝きをようやく浴びることができて、もう大満足でしたデレデレデレデレ


 めちゃくちゃ幸せな気持ちになれた月組『侍タイムスリッパー』の配信感想でしたニコニコ