雨が降る前や、台風が近づいている時、あるいはどんよりとした分厚い雲に覆われている日。 なんだか頭が重かったり、体がだるかったり、理由もなく気分が落ち込んでしまったりすることはありませんか?
昔から「雨の日は古傷が痛む」などと言われますが、これは決して気のせいではありません。 実際に気象病や天気痛と呼ばれる、ちゃんとした理由のある身体の不調です。
私自身も天気に気分や体調を左右されることが多く、どうにかしてこの不快感を和らげる方法はないかと少し調べてみたところ、カギとなるのは「自律神経のバランス」を整えることだということがわかりました。
そして、その自律神経のバランスを正常に保つために非常に効果的なのが、激しい運動ではなく、ゆったりとした呼吸で行う「リラックスヨガ」だったのです。
この記事では、天気に振り回されない健やかな心と体を作るためのメカニズムと、スマートフォンを見ながらベッドの上ですぐに実践できる、簡単なヨガのポーズをご紹介します。
なぜ天気が悪くなると体調が崩れるのか?
そもそも、なぜ天気が悪くなったり気圧が変化したりすると、私たちの体調は崩れやすくなるのでしょうか。
主な原因は、耳の奥にある「内耳(ないじ)」という器官にあります。 内耳には、気圧のわずかな変化を敏感にキャッチするセンサーのような役割があります。 急激に気圧が下がったり上がったりすると、この内耳からの情報が脳へ過剰に伝わり、自律神経のバランスを大きく崩してしまうのです。
自律神経には、日中の活動時に体を活発にする「交感神経」と、リラックスしている時に働く「副交感神経」の二つがあります。 通常、健康な状態であれば、この二つがシーソーのようにバランスを取り合っています。
しかし、気圧の変化によって脳が混乱し、このバランスが乱れると、交感神経ばかりが過剰に優位になってしまうことが多くなります。 すると血管がギュッと収縮して血流が悪くなり、頭痛、肩こり、冷え、だるさ、めまい、そして気分の落ち込みといった様々な不調を引き起こしてしまうのです。
自律神経を整えるために「リラックスヨガ」が良い理由
乱れてしまった自律神経を整えるには、高ぶってしまった交感神経を優しく鎮め、お休みモードである副交感神経の働きを促してあげることが不可欠です。
そこでおすすめなのが「リラックスヨガ」です。 ヨガが自律神経の調整に優れている理由は、大きく分けて二つあります。
1. 深い腹式呼吸 ヨガの最大のポイントは呼吸にあります。 日常の浅い呼吸から意識的に深い腹式呼吸に切り替え、息を「長く吐く」ことに集中します。 息をゆっくりと吐き出すことで、副交感神経のスイッチが入り、心身の緊張がスッと解けていきます。
2. 背骨まわりのアプローチ 自律神経は、脳から背骨を通って全身へと繋がっています。 ヨガのポーズで背骨を前後左右に優しく動かすことで、背骨のまわりの筋肉がほぐれ、自律神経の伝達がスムーズになります。 激しい筋トレやランニングとは違い、筋肉を優しく伸ばして血流を促すため、気圧の変化でガチガチになった体を癒やすのに最適なのです。
スマホを見ながらできる!おすすめのリラックスヨガ3選
お家の中で、ベッドやマットの上でパジャマのままできる、自律神経を整えるおすすめのポーズを厳選して3つご紹介します。
【ポーズ1:チャイルドポーズ(お休みのポーズ)】
交感神経を鎮め、背中や腰の緊張を緩めて安心感をもたらすポーズです。
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床やベッドの上に正座になります。
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両手は太ももの横に自然に添えるか、バンザイのように前へ伸ばします。
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息を吐きながら、上半身をゆっくりと前に倒し、おでこを床(またはベッド)につけます。
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首や肩、背中の力を完全に抜き、その状態で深くゆっくりとした呼吸を5回ほど繰り返します。 背中全体が呼吸に合わせて、風船のように膨らんだり縮んだりするのを感じてみてください。
【ポーズ2:キャットアンドカウ(猫と牛のポーズ)】
自律神経の通り道である背骨を柔らかく動かし、神経の働きを正常に近づけます。
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四つん這いになります。肩の真下に手首、足の付け根の真下に膝がくるように位置を調整します。
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まず息を吐きながら、両手で床を強く押し、背中を丸く天井に向けて引き上げます。おへそを覗き込むようにして、猫が怒って背中を丸めるようなイメージです。
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次に息を吸いながら、今度は背中を反らせます。胸を開き、目線を少し斜め上に向けます。牛がゆったりと背中を反らせているイメージです。
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この「丸める」「反らす」の動きを、ご自身の呼吸のペースに合わせてゆっくりと5回から8回繰り返します。
【ポーズ3:シャバーサナ(屍のポーズ)】
ヨガの最後に行う、究極のリラックスポーズです。全身の疲労と脳の疲れを回復させます。
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仰向けに大の字になって寝転がります。
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足は肩幅より少し広めに開き、つま先は外側にダラリと向けます。
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腕は体の少し横に置き、手のひらは天井に向けます。
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目を軽く閉じ、頭の先から足の指先まで、体のどこにも力が入っていない状態を作ります。
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そのままコントロールを手放して自然な呼吸に身を任せ、5分から10分ほどお休みします。そのまま眠ってしまっても構いません。
効果を高めるための3つの大切なポイント
ヨガを行う際に、よりリラックス効果を高めるための大切なポイントがあります。
絶対に無理をしないこと ヨガは体の柔らかさを誰かと競うものではありません。 ポーズの形が完璧でなくても、自分が「気持ちいいな」「伸びているな」と感じるところで止めるのが大正解です。 特に気圧の変化で体調が悪い時は、チャイルドポーズのまま深呼吸するだけでも十分な効果があります。
呼吸を止めないこと ポーズに集中するあまり、無意識のうちに息が止まってしまうことがあります。 これでは体に力が入って交感神経が優位になってしまい、逆効果になってしまいます。 常に「吸う息」よりも「吐く息」を細く長くすることを意識すると、より深いリラックス状態に入りやすくなります。
環境を心地よく整えること 部屋の照明を少し落として薄暗くしたり、お気に入りのアロマオイルを香らせたり、ヒーリングミュージックを小さな音で流したりしてみてください。 五感から心地よい刺激を与えることで、副交感神経がよりスムーズに優位になります。
おわりに
天気に左右されて体調を崩してしまうのは、決してあなたが弱いからでも、気合いが足りないからでもありません。 あなたの体が一生懸命、気圧や環境の変化に対応しようと頑張ってくれている証拠です。
そんな頑張り屋の体と心を責めるのではなく、リラックスヨガで優しく労わり、ケアしてあげましょう。
天気予報を見て「明日は雨だな」「低気圧が来るな」と思ったら、寝る前の5分だけでも、ゆったりと深い呼吸をして背骨を動かしてみてください。 それだけで、翌朝の目覚めの良さや、日中の気分の軽さが全く違ってくるはずです。
外の天気がどんなに荒れていても、自分の内側にはいつでも安心できる穏やかな場所を作るつもりで。 天気に負けない健やかな心と体を、ご自身のペースでゆっくりと育てていきたいですね。