「新頭殼」の記事からです。

 

  5億円相当の不動産を相続した高校3年生が、同性婚をした直後に飛び降り自殺をした事件が、台湾ではよく報道されています。さらにショックだったことは、その高校生の父親はじつは祖父だったということです。

 

  続編となる記事を見つけましたので、今日はその記事について取り上げたいと思います。

 

 

  この見出しを読むと、その高校生はすでに東海大学の哲学系に合格していたそうです。勉強もよくできたんですね…。

 

 

  記事は次のように始まっています。

 

 

  事件の概要と法廷での様子

 

  繼承5億房產的台中賴姓男高三生日前和夏姓男子登記結婚後竟離奇墜樓身亡,引起社會關注。賴姓高三生就讀的高中回應,在校成績不錯,在班上約排名第5名,已錄取東海大學哲學系並和同學規劃出遊,且高二時曾因有心儀的女同學找輔導老師商談,對於同婚、墜樓等事,師生同感震驚。而夏姓男子開庭5小時請回時被媒體問到「你愛賴姓男高三生嗎?」他面無表情無語。

 

  5億の不動産を相続した台中市の男子高校生、頼さんは誕生日前に夏さんという男性と結婚し、その直後に飛び降り自殺をして社会的関心を呼んだ。 頼という名の高校生は、学校の成績が良くてクラスで5位だったという。東海大学哲学科に合格し、クラスメートとの遠出を計画していたという。 高2にときに、好きな女子生徒がいたのでカウンセラー教師と面談しており、同教師や学生は、同性婚やビルからの転落などにショックを受けていた。 夏という姓の男性は、5時間の法廷の後に戻ってくるよう求められたとき、メディアから「頼さんを愛していたんですが?」と尋ねられ、無表情で何も答えなかった。

 

  この上の文章の中に「心儀」という語彙があります。

 

  心儀とは?

 

  高2のときに、亡くなったこの学生には好きな女の子がいたようです。同性婚をしたという話ですが、女の子を好きだった時代もあったのですね。

 

  「心儀」という言葉はどういう意味でしょうか。

 

  教育部の辭典によると、次のように説明されています。

 

 

  この説明によると、「こころの中で憧れ慕う」という意味のようですね。

 

  「儀」という動詞に、「憧れる、思慕する」という意味があるようです。

 

  話し言葉だと、「好き」と訳していいのでしょうが、書き言葉だとこのように表現されるのかもしれません。

 

 

   高校生の母親の反応は…

 

  賴姓高三生母親19日在民代及委任律師陪同下召開記者會哭訴,兒子剛滿18歲,日前繼承父親贈與的30筆不動產,市值新台幣5億元,4日卻被夏姓男子帶出門,2人登記結婚,2小時後竟從夏姓男子住處墜樓,她無法接受這件事。而警方在意外當天接獲消防局轉報,受理後採集相關跡證、物件,報請檢察官相驗,家屬質疑賴姓男高三生死因不單純,提告殺人罪。

 

  母親はこの事件を受け入れられずにいるようです。

  事故当日、警察は消防から通報を受け、事件を受理した後、関係証拠や物品を収集して検察に提出し、調べを行った。遺族は男子高校生の死因が単純ではないことから殺人罪で起訴することになったということです。

 

 

  同性婚の相手の反応は…

 

  記事は次のように続いています。

 

  

  夏姓父子22日到台中地檢署應訊,檢方指揮警方出動6名刑警,全程陪同首度現身的夏姓父子出庭,開庭前夏姓男子面對媒體詢問「為什麼不歸還房產?」、「是否推落賴姓高三生?」、「為什麼沒到靈堂拈香?」等問題,全程不發一語,面無表情步入地檢署開庭。

 

  檢方針對查扣手機、筆電數位採證結果、及與死者結婚原因、案發前狀況等疑點進行第二次訊問,釐清案情。5小時偵訊期間,檢方將夏姓父子兩人分開庭訊。台中地檢署襄閱主任檢察官詹常輝指出,當天是承辦檢察官針對案情疑點,以及被害人家屬的一些說詞進行釐清,隔離訊問是由檢察官針對案情,依照案情需求考量,做出必要的偵訊措施,而夏姓父子訊後請回。

 

  夏姓父子訊後在律師陪同下搭乘警方的偵防車離開,夏姓父子律師強調,當天是針對檢察官的疑點,出庭釐清,因涉及偵查不公開,所以無法對外說明;而夏姓男子面對媒體包圍追問「你愛他嗎」、「檢察官問了什麼」、「對方是一面之詞嗎」、「真的愛他嗎」等問題,均面無表情不發一語。

  

  同性婚の相手、夏さんとその父親は22日、取り調べのため台中地方検察庁に出向き、検察は初出廷した夏親子に同行する刑事警察官6人を派遣するよう警察に命じた。 「どうして不動産を返却しない?」「頼さんを後ろから突きおとしたのか?」「なぜ弔問場に焼香に行かなかったのか?」などの質問があったが、彼らは終始何も言わずに虚ろな表情で地検に入った。

  検察は事件の事実を明らかにするため、携帯電話、ノートパソコンの押収、デジタル証拠の収集結果、故人との結婚の理由、犯行前の状況などに焦点を当てて二度目の取り調べを実施した。 5時間の取り調べ中、検察は夏親子を別々に取り調べた。 台中地検の張長輝・首席検事は、担当検事が事件の不審点と当日の被害者家族の供述の一部を明らかにしたと指摘し、捜査措置を講じ、夏姓の父子には後で戻ってきてほしいと述べた。 

  夏親子は取り調べ後、弁護士とともに警察の偵察車に乗って去ったが、夏さん親子の弁護士は、同日、検察の疑惑を解明するために出廷したと強調した。内容は非公開であり、外部に説明することはできないが、夏という姓の男性はメディアに囲まれ、「彼を愛していたのか」「検察官は何を質問しましたか」「相手はただ話していただけですか」「本当に愛していたの?」などと質問をした。 夏さんは無表情で何も言わなかった。

 

 

    頼さんの高校時代の成績は

 

  記事は後半、次のようにつづいています。

 

  賴姓高三生就讀學校的羅姓秘書22日接受媒體聯訪時透露,賴姓高三生與同學相處融洽、成績也不差,約排名在全班5名上下,還擔任班級體育股長,今年4月才經過繁星計畫錄取東海大學哲學系,並已決定就讀,也因為確定成為大學新鮮人,已經和同學討論、規劃出遊。師生對於賴姓高三生不幸死亡感到惋惜。

 

  校方指稱,賴姓高三生就讀高中二、三年級時,曾因有心儀的女同學,到諮商中心找輔導老師商談,上月底賴姓高三生因爺爺過世請喪假,期間也都很正常、看不出異樣,校方日前在賴姓高三生母親告知時才得知賴姓高三生墜樓身亡,讓教師與同學都覺得相當震驚與不捨。

 

  頼さんという高校生が通っていた学校の羅さんという秘書は、22日、メディアとの共同インタビューで、頼さんという高校生はクラスメートと仲が良く、成績も悪くなかったと明らかにした。 4月に推薦入学制度で東海大学の哲学科にすでに入学が決まっており、大学の新入生になることが決まっているので、すでにクラスメートと話し合い、旅行の計画を立てていた。 教師と生徒たちは、ライという高校生の不運な死を残念に思っている。

  学校側によると、頼さんは高校2、3年生の頃、好きな女子生徒がいたためカウンセリングに行き、先月末、祖父の死により葬儀休暇を取得したさいにも異常は見られず、学校側は頼さんの母親から知らされ初めて頼さんが転落死したことを知った。教師と生徒たちは非常にショックを受け、悲しい気持ちになったという。

 

 

  頼さんの母親は…

 

  頼さんの母親は中国出身で、台湾の法律によると、相続分は200万元に限られるのだそうです。そして、血がつながっていた息子がなくなったことにより、台湾にいられなくなる可能性も出てきたようです。

 

 

  お祖父さんだと思っていた人が実は父親だったなんて、そんな「華麗なる一族」のような事件が本当にあるのですね。

  「華麗なる一族」ではそう疑われていましたが、実際にはそうではなかったですよね。

  事実は小説より奇なり、です。

 

 

 

 

 

 

 

 

  あと、今日のこの記事を読んで感じたことですが、この学生は高校生の時、好きな女の子ができるとそれを高校のカウンセラーに相談したりしていたんですね。

  なんだか可愛くて素朴な高校生の姿が浮かび上がってきました。

 

  …ということは、同性婚をした夏という名前の青年が、この頼さんを騙して、ビルから突き落としたのでしょうか。

  どうやら台湾のメディアはそのように推理しているようですね。

 

  …だとすると、財産を手にしたために、目をつけられ、またたく間に殺されてしまった頼さん、本当にかわいそうですね。

 

  ただ、ビルから落ちる場面は誰も見ていないので、果たして物証だけで、この夏という青年を殺人罪に定めることができるのかどうか、それも見守っていきたいところです。