12) 7時間のバス旅 | BIG BLUE SKY -around the world-

12) 7時間のバス旅

第十二話) 7時間のバス旅

2022年 6月13日、ウドンターニーからウボンラチャターニー行きのバスに乗って、ヤソートーンへ向かう。

バスは、コーンケーン、マハーサーラカーム、ローイエットを経由して、ヤソートーンまで 420キロ、7時間の旅となる。
コロナ前は一日 10本走っていたバスは、3本にまで減っていた。
少ない選択肢から、10時発の VIP バスで行くことに決めた。
ちょうど東京から来たときの TG643 便と同時刻発で、ヤソートーンにおよそ同時刻着となる長旅だ。

イサーンと一括りに言うが、とても広いことを実感する。



[開店前のセンタン前の一団, ウドンターニー] (Jun-13, 2022)


国外に出るときにはいつでも、スマートフォンを二つ持って来る。
ガラケー時代からそうしているように、一つには日本用、もう一つには現地用の SIM を入れておく。
ウドンターニーのパナライ・ホテルを出ようとしたところで、日本 SIM スマホが鳴った。
今夜の都内でのライブへのお誘いだったので、出先だから今日はご免と答える。
呼び出し音から察したのだろう、旅行気を付けてねと言ってくれた。

窓の外を眺めると、センタンの前に人が集まっている。
ピンクのジャケットを来た一団がイサーン特有のチャントを歌っているのを見ると、結婚式だろうか。
一団の手前には ASEAN 加盟国の旗が翻り、ホテルの屋根の上を猫が渡って行く。
この猫とも今日でお別れだ。
猫に手を振って部屋を後にした。



[母国のような車窓の田園風景,セラプーム] (Jun-13, 2022)


バスはコーンケーンまで 2号線を真っすぐ南へ向かい、コーンケーンから左折してヤソートーンまで 23号線を真っすぐ東へ向かう。
窓の外には母国のような田園風景が続き、熱帯特有の晴天と驟雨を繰り返す。
ヤソートーンへ行くのは 9年振り 3回目。
前の 2回は、ウボンラチャターニーから Nui 氏の白タクに乗った。
Nui 氏はどうしているのだろう。

コーンケーンの手前で、日本スマホに SMS が届く。
今年 2月から付き合いの有る友人からだ。
予約に関する問い合わせだったので早目に返信しようとしたのだが、日本・タイどちらの SIM を入れたスマホからも、日本への SMS が送信できない。
仕方なく、タイ SIM スマホから、日本にいる共通の友人へ LINE で伝言を送った。



[ヤソートーンの市街地] (Jun-13, 2022)


以前、日本と他国との間で SMS でやり取りしていた時は、どうしていたのだろう。
上海エクスプローラーの SHEX-LAILAI メールは思い出したが、他とのやり取りはどうしていたのだろうか。
十数年前のことが思い出せない

今日は、ヤソートーンに着いたら、Erika の叔父さん・叔母さん、そして従妹弟たちの家を訪ねようと思っている。
最後に訪ねたのは、もう 9年前のことだが、覚えてくれているだろうか。
自分に照らし合わせてみても、9年・10年前に一回ずつ会った人を覚えているかどうか自信は無い。

SMS の事例のように、かなり疑わしい。
もし忘れられていたらそれでもいい、きっと初めての訪問客のように歓迎してくれるだろうから。


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