05) 乗興車 | BIG BLUE SKY -around the world-

05) 乗興車

05) 乗興車  Impromptu Pleasures on the Road

Nui 氏の白タクは、ウボンラチャターニーからヤソートーンへ向けて、田園を駆け抜ける。
一年前に見た風景が車窓を流れ行く。
ワット (寺院) の屋根の輝き,露店に並ぶ品々,談笑する農婦たち ...  昨夏、一度見ただけの風景に、僅かな変化を認めることが出来る。

若冲の、伏見観月橋から大阪天満橋への舟旅は、拓版画 "乗興舟" に描かれた。
"乗興舟" を二回目に見た時に、前回、他の美術館で見たものとは絵が違うことに気が付き、同じ作品名での版木が複数種あることを知った。
音楽作品で言うところの、バージョン違いに相当する。


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[乗興鐵路 第一回,アユタヤ駅] (2007)


自宅には、何も書いていない白ラベルのカセットテープ,CD-R が山のようにある。
多くは、スタジオ又は公演会場での演奏を収録して、それきり棚積みになっているものだ。
この内の一本/一枚を無作為に選んで、いつ何処で収録したものかを聴き分けることが出来る。
エフェクターのスイッチング・ノイズ,ドラムのフィル・インのタイミング,ミスタッチする瞬間 ...  リアルタイムに反芻することが出来る。


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[乗興鐵路 第二回,アユタヤ駅] (2008)


ヤソートーンへの二回目の道中は、一回目とは違ったものとして脳裡に映し込まれて行く。
一回目との最大の違いは、隣席の Erika の不在である。
車窓を眺めながら、昨夏の情景を反芻していた。


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