06) ケット島,バンコク郊外 運河のモスレム | BIG BLUE SKY -around the world-

06) ケット島,バンコク郊外 運河のモスレム

ケット島,バンコク郊外 運河のモスレム

貝の寺ワット・チェディ・ホイ Wat Chedi Hoi から、バンコク郊外のケット島 (クレット島) Ko Kret へ向かう。
船着き場の地図を見ると、蛇行するチャオプラヤー川をショートカットする運河を作ったことで、中洲のように残ったところがケット島になったことが分かる。

小振りのエンジン付きボートに乗って、蛇行するチャオプラヤー川を進む。
前席の AI がボートの揺れでバウンドするのが見えて DS 夫人の笑い声が響くと、熱帯特有の甘い湿った空気が頬を通り過ぎて行く。
左にカーブする川の右手に黄金色の大きな仏像が見えると、DS 夫人と AI は手を合わせた。
二人の信仰は篤い

ボートはチャオプラヤー川左手の水門をくぐり、狭い運河を進んで行く。
運河に向かって建つ家々には、洗濯物を干す婦人,犬と遊ぶ少年,天蓋を修理する労働者,打ち捨てられた舟が見えて、あまり豊かとは言えない暮らしぶりが窺える。
ボートはなおも運河を進むと、土産物屋の桟橋に横付けした。
お決まりのお土産物屋回りつきのコースだったのだ。



[運河の土産物屋の揚げ菓子,バンコク] (2013)


階段を上がって入った土産物屋は、モスレムの店だった。
建て増しを繰り返した温泉旅館のように、店舗が回廊でつながっている。
幾何学模様の飾り物,揚げた菓子,匂い袋,装飾品 ...  バンコク市内では見かけない土産物が並び、メリスマを効かせた節回しの歌が響く。
ラマダーンの日中だが、店員たちに特に変わった様子は見られない。
バンコクには人口の 5%を超えるモスレムが居住しており、時に街歩きをしているとモスレム地区に差し掛かることが有る。
ここもそのようなモスレム地区の一つなのだろう。

店舗に横積みにされた CD と本が見えて、昨日に続いてまた、エカマイのモスレム地区に住む知人を思い出す。
五年前、エカマイの知人宅に泊めてもらった時、机の上に横積みにされた CD と本を見て、幼年期に NHK みんなのうたで聴いた "ケルンを積もう" が口を付いた。
CD と本は、幾何学模様にも似た几帳面さを以て、整然と積まれていたのだ。
二日続けてエカマイの知人を思い出すということは、何か縁があるのかもしれない。
そう思いながら、揚げ菓子と良い香りがする小さな枕を購入すると、ボートに戻ってケット島へ向かった。



[運河の土産物屋の揚げ菓子,バンコク] (2013)


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