◆りっちゃん⑦のつづきです。
破水する前日の朝、トイレに行ったらおしるしの様な出血がありました。
看護婦さんに知らせると、すぐにルート確保してくれて💉出産にそなえてシャワーの時間を早くしてくれました。
その夜、なかなか寝付けなくてソワソワして
夜の病院のトイレ嫌だな~と思いながら、トイレに立ちました。(古めの病院で病室からトイレ離れてました。私は、めちゃくちゃ怖がりです)
病室に戻ってベッドに横になったら、胎動が凄く激しくて
どうした~?と思っていたら破水しました。
すぐにナースコールして、分娩室の隣の部屋に移動し、点滴しながら陣痛がくるのを待ちました。
陣痛は、じわりじわり。
その間に家族に連絡をして、夫は県外なので来れないし、
面会制限の為、病院に来てもらえるのは1人と決められていたので、私の母が来る事になりました。
分娩室に移動し、いよいよです。
でも、陣痛が強かったり、弱かったり、まだ私にも余裕がありました。
すると、先生が帝王切開にするか。と準備を始めました。
回旋異常でした。
回転しながら降りてくるはずの赤ちゃんが、回れない。だから降りてこない。
助産師さんに、
少しだけの時間、自分の楽な態勢とってていいよ。
と言われました。
私は横向きになって、準備を待ちました。
でも、横向きになったら…いきみがきました!
それを見た先生が、吸引分娩に切り替える。と
私に「赤ちゃんを産むお手伝いをさせて頂きますね。」と言いました。
そして5月5日 午前5時、吸引分娩によって
りっちゃんが誕生しました。
産声も聞けたし、胸の上で写真も撮ってくれました。
元気だ!あたたかい。動いてる!生きている!!
嬉しい。幸せでした。
同じ日、もう一組の親子が私の後に出産し、
母子同室のできる大きい部屋に、私とその人が同じ病室になりました。
産後、私は小児科の先生に呼ばれました。
りっちゃんの病状の説明です。
「やはり、心室中隔欠損症です。欠損は6㎜でした。それと、動脈管と卵円孔も開存したままです。
3つの欠損があり、思ったより心臓に負担がかかっています。
肺高血圧を起こし、心肥大しています。
その為今日から1日3回、利尿剤を服用します。
そして、黄疸も強く出ているので黄疸の治療もしていきます。」
…うそだ。
胎児エコーでは3㎜だった欠損が、生まれてみたら6㎜に大きくなってた。
生後数日で閉じるはずの動脈管と卵円孔も開存したまま。
生後3日で、薬?
りっちゃんは、その後の調子も良くはならなかった。
先生から何度も呼ばれて、何度も説明を受けた。
つらい。本当は夫も一緒に聞く説明を全て、自分1人で聞いた。
面会制限中だから、数日休みをとって県外から来ても赤ちゃんには会えない。
赤ちゃんに会えないなら、わざわざ遠くから来なくてもいいよ。退院してから、沢山会って。と言った。
先生から聞いた説明を、私の家族、夫の家族、夫にその都度伝えた。
みんな心配していたし、どうなった?と、とても気にしてくれていた。
母子同室の広い部屋に、私と同じ日に出産した
もう一組の親子が、もう何日も赤ちゃんと一緒に同室になっていた。
赤ちゃんが泣いたら、
オムツを替えて、ミルクをあげて
お母さんが、よしよし。と優しい声で言っていた。
カーテンで区切られた私のベッドには、出産してからずっと。りっちゃんは来ていない。
向こうの赤ちゃんの泣き声が聞こえる度、私も泣いた。
つらくて、つらくて、どうして私は同室になれないんだろう。って
先生からの説明も、それを家族に伝える事も、同じ病院に居るのに我が子に会えない事も
全てが辛かった。
赤ちゃんに会えなくてもいい。
私が辛いから、私に会いに来てくれない?
夫にそう言えば良かった。
助けてほしかった。
つづく。