の続きです。
このようにして、他職種で力を合わせて取り組んだ経口移行ですが、
今でも、ワーカーさんの力を感じたと思う出来事がありました。
ゼリー状のものは問題なく食べることが出来、食事はほぼ経口に移った方がいました。
あとは、水分が問題なくとれれば胃瘻を外せる状態です。
しかし、この水分が難しかったのです。
少しでも量が多いとむせてしまったり、痰が絡んだりして、なかなか必要量を飲むことが出来ませんでした。
しかし、ワーカーさんは、本人も食べることが好きなのに何とかならないか、と言ってくれて、
まずは、1口5ccを3口、これを
朝食前後・9時、10時、昼食前後、15時、16時、夕食前後、就寝前の11回、行うことになりました。
むせ込みや痰がらみ、発熱などがなければ、3日おきに、
3口→5口→7口
と量を増やし、誤嚥を疑う症状があれば1つ前に戻るを繰り返しました。
根気強く関わることで、90日ほどで、一日の目標量である800ccを飲むことができるようになりました。
ワーカーさんだけの力ではなく、健康状態を見てくれた看護師さん、家族との調整役をしてくれたケアマネや相談員、その取り組みを許してくれた施設長など、おおくの方の気持ちと、なによりもご本人の意欲の成果だと思っています。
誤嚥は見えないところで起こって、
肺炎が悪化すると死にも直結するので
安易に経口で!とは言えませんが、
ご本人の意志に寄り添って、
口から食べられるようになった
お手伝いが出来たことは、本当に
良かったと思っています。
そして、諦めないこと、
の貴重な経験もさせてもらいました。