サダルテミスさんから文字化けしていないリストがあるのを教えていただきましたのでひとまずリンクを追加しておきます。記事内容は資料を精査した上であらためて書きなおすようにします。
また『近藤二郎「星の名前のはじまり」にある綴り』には“D.Cowan方式を採用した”との記述があるとのご指摘もいただきましたので表にもその旨追記しました。
アルファベットからアラビア語に変換するときそのまま翻字しただけでは正しいアラビア語にならないものがありますのでそういうケースについて表を追加してあります(ただし完全なものではありません)
(2014-03-06 07:56:31、2014-03-08 15:14:39)
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サダルテミスさんからアラビア語の恒星名の網羅的なリストがあることを教えていただきました。
「Étymologie de noms arabes d’étoiles」
※ 詳しいことはサダルテミスさんに教えてもらってください。
「観望会テスト! 受けてきました♪ - コメント」
あたりが参考になるかも....
この資料には「Mot arabe」という欄があってそこにアラビア語の綴りが書いてありまするようなのですが文字化けしていて何が書いてあるかわかりません。
「Transcription」という欄もありそこにアラビア語の綴りをアルファベットに変換したものが書いてあるようです。このアルファベットの綴りとアラビア語の綴りの対応表を作りましたこのアルファベットの綴りからアラビア語の綴りを復元(?)できるように変換リストを作成しました。
機械的に変換するだけでは復元変換できないものもあるのですが「ないよりはまし」ということで記事にしました。
「星の名前のはじまり」にある「表6.2 アラビア語のアルファベットの太陽文字」(あるいは「表2.1」)を見ると
ض zの下にドット
ظ dの下にドット
となっていますが、これは逆だと思います。上の表は「表6.2 アラビア語のアルファベットの太陽文字」も参考にして作成していたのですが、この二文字は翻字を入れ替えてあります。
「星の名前のはじまり」はとても参考になる本なのですがどうも校正が十分に行われていないようでミスプリント的なものが目立ちます。
例えば132ページのデネブのアラビア語名は「アッ=ザナブ・アッ=ダジャージャ」と余計な定冠詞がついています。162ページのリストでは定冠詞のない正しい形になっているのですがذنبの翻字は“ḏanab”(ザナブ)となるべきところが“danab”(ダナブ)となってしまっています。
また162ページのリストにあるアークトゥルスのアラビア文字表記は間違っています(スピカと同じものになってしまっています)
単純にアルファベットからアラビア語に変換すると違っている場合があります。そういうときは下記を参考にしてください。他にあったら追加しておきます。
タンウィーン(an、in、un)は母音記号で表されるので“n”に相当する文字はアラビア語では表記されません。ただ一部を除いて語尾のタンウィーン自体発音されないのでアルファベットに翻字したものにも出てこないような気がします。母音記号まで厳密に翻字している場合は出てくるかもしれないと思って表に追加しています。
ファトハのタンウィーン(“an”)は発音するケースがありその場合一部を除き文字としてاが表記されるのですがこれは“副詞的な用法に限る”となっているので星名としては存在しないような....
『近藤二郎「星の名前のはじまり」にある綴り』の方はぜんぶ調べたわけではありません。
この記事を書くにあたっては以下の書籍を参考にしました。
鷲見朗子「初歩のアラビア語('06)」放送大学教育振興会
新妻仁一「アラビア語文法ハンドブック」白水社
(2014-03-05 20:40:57、2014-03-08 15:14:39)
「アラビア語の恒星名(1)」 編集
「辞書に見る「(アッ)ターイル」の意味」 編集
また『近藤二郎「星の名前のはじまり」にある綴り』には“D.Cowan方式を採用した”との記述があるとのご指摘もいただきましたので表にもその旨追記しました。
アルファベットからアラビア語に変換するときそのまま翻字しただけでは正しいアラビア語にならないものがありますのでそういうケースについて表を追加してあります(ただし完全なものではありません)
(2014-03-06 07:56:31、2014-03-08 15:14:39)
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サダルテミスさんからアラビア語の恒星名の網羅的なリストがあることを教えていただきました。
「Étymologie de noms arabes d’étoiles」
※ 詳しいことはサダルテミスさんに教えてもらってください。
「観望会テスト! 受けてきました♪ - コメント」
あたりが参考になるかも....
この資料には「Mot arabe」という欄があってそこにアラビア語の綴りが書いてあります
「Transcription」という欄もありそこにアラビア語の綴りをアルファベットに変換したものが書いてあるようです。このアルファベットの綴りとアラビア語の綴りの対応表を作りました
機械的に変換するだけでは
アラビア語の文字 | 読み | Transcriptionの綴り | 近藤二郎 「星の名前のはじまり」 にある綴り D.Cowan方式 |
ا | アリフ(-) | a, i, u, ā 他 (a, i, u は語頭) | |
ب | バー(b) | b | |
ت | ター(t) | t | |
ث | サー(th) | tの下にバー | |
ج | ジーム(j) | j | |
ح | ハー(h) | hの下にドット | |
خ | ハー(kh) | hの下にバー | |
د | ダール(d) | d | |
ذ | ザール(dh) | dの下にバー | |
ر | ラー(r) | r | |
ز | ザール(z) | z | |
س | スィーン(s) | s | |
ش | シーン(sh) | sの上にv | sの上にv(sh) |
ص | サード(s) | sの上にバー | sの下にドット |
ض | ダード(d) | dの下にドット | dの下にドット |
ط | ター(t) | tの下にドット | |
ظ | ザー(z) | ¿ | zの下にドット |
ع | アイン(-) | 上付きのc | ‘ |
غ | ガイン(gh) | gの上にドット | g |
ف | ファー(f) | f | |
ق | カーフ(q) | q | |
ك | カーフ(k) | k | |
ل | ラーム(l) | l | |
م | ミーム(m) | m | |
ن | ヌーン(n) | n | |
ه | ハー(h) | h | |
و | ワーウ(w) | w | |
ي | ヤー(y) | y | |
- | (ハムザ) | ' |
「星の名前のはじまり」にある「表6.2 アラビア語のアルファベットの太陽文字」(あるいは「表2.1」)を見ると
ض zの下にドット
ظ dの下にドット
となっていますが、これは逆だと思います。上の表は「表6.2 アラビア語のアルファベットの太陽文字」も参考にして作成していたのですが、この二文字は翻字を入れ替えてあります。
「星の名前のはじまり」はとても参考になる本なのですがどうも校正が十分に行われていないようでミスプリント的なものが目立ちます。
例えば132ページのデネブのアラビア語名は「アッ=ザナブ・アッ=ダジャージャ」と余計な定冠詞がついています。162ページのリストでは定冠詞のない正しい形になっているのですがذنبの翻字は“ḏanab”(ザナブ)となるべきところが“danab”(ダナブ)となってしまっています。
また162ページのリストにあるアークトゥルスのアラビア文字表記は間違っています(スピカと同じものになってしまっています)
単純にアルファベットからアラビア語に変換すると違っている場合があります。そういうときは下記を参考にしてください。他にあったら追加しておきます。
Transcriptionの表示 | アラビア語の表示 | 備考 |
a | ا | 語頭にのみ使われる |
i | ا | 語頭にのみ使われる |
u | ا | 語頭にのみ使われる |
ā | ا | |
ā | ى | 語尾にのみ使われる |
ī | ي | |
ū | و | |
表記なし | ة | 語尾にのみ使われる 直前の母音はa |
t | ة | 語尾にのみ使われる |
ff、bb等 | ب 、ف 等 | シャッダ付き子音 重子音だが 子音の表記は一つだけになる |
' | ハムザ | 表記法は様々です |
ad-d...、ar-r.... 等の“a”の次の文字 (「星の名前のはじまり」の表記) | ل | これは発音に合わせての翻字です アラビア語の定冠詞の表記は常に ال です。 |
an | ا | 語尾のみ使われる ファトハのタンウィーン 星名には出てこないかも |
an | - | 語尾のみ使われる ファトハのタンウィーン 実際にはないとは思いますが念のため |
in | - | 語尾のみ使われる カスラのタンウィーン 実際にはないとは思いますが念のため |
un | - | 語尾のみ使われる ダンマのタンウィーン 実際にはないとは思いますが念のため |
タンウィーン(an、in、un)は母音記号で表されるので“n”に相当する文字はアラビア語では表記されません。ただ一部を除いて語尾のタンウィーン自体発音されないのでアルファベットに翻字したものにも出てこないような気がします。母音記号まで厳密に翻字している場合は出てくるかもしれないと思って表に追加しています。
ファトハのタンウィーン(“an”)は発音するケースがありその場合一部を除き文字としてاが表記されるのですがこれは“副詞的な用法に限る”となっているので星名としては存在しないような....
『近藤二郎「星の名前のはじまり」にある綴り』の方はぜんぶ調べたわけではありません。
この記事を書くにあたっては以下の書籍を参考にしました。
鷲見朗子「初歩のアラビア語('06)」放送大学教育振興会
新妻仁一「アラビア語文法ハンドブック」白水社
(2014-03-05 20:40:57、2014-03-08 15:14:39)
「アラビア語の恒星名(1)」 編集
「辞書に見る「(アッ)ターイル」の意味」 編集