「田原坂」放映35年 | ヴェルディの星

「田原坂」放映35年

35年前の本日1987年(昭和62年)12月30日、日本テレビ年末時代劇スペシャル第3弾「田原坂」第一夜「英雄野に下る」、翌31日第二夜「桜島は死せず」放映。
幕末の英雄西郷隆盛の半生を描く。




前々年の「忠臣蔵」、前年の「白虎隊」の好評を受け、本作は前後編併せて5時間30分の大型枠に。主演の西郷隆盛役に里見浩太朗。森繁久彌は奄美大島の龍左民、風間杜夫は木戸孝允で前2作から続けて重要な役を。
里見は西郷を演じる役作りのため10kgも太ったと言う。前年は「欠席」した西郷輝彦は、故郷の英雄を扱うこの作品に西郷従道として出演。萬屋錦之介が勝海舟として特別出演。



31日は鹿児島県の日テレ系列クロスネット局(当時)鹿児島テレビは本来フジのネット枠ながら、郷土の英雄の作品と言うことで特別編成で日テレ同時ネットに。

西郷の半生記だがメインは前編は二度の遠島と明治8年の政変、後編は西南戦争となる。
このドラマは歴史的事件としての「征韓論」を掘り下げて描いた。西郷は本当に「征韓」を主張していたのか?そもそも「征韓論争」とは一体何だったのか?
学校では「西郷が韓国へ行けば殺される。そうすれば日本は戦争を仕掛ける口実が出来る」と教わったが、本当に韓国人は平和使節を問答無用で殺す野蛮な国民なのか。
「行ってきなよ西郷さん。今まで行って誰一人殺されちゃあいない。江戸城を無血開城させたあんたにしか出来ない仕事」とは萬屋が演じる勝海舟の弁。

後編で「おいの命、おはんらに預けた」と大久保との対決を決意した時の西郷は正に里見による迫真の演技だった。
「晋どん、ここらでよか」と城山で西郷は切腹。最後に西郷の銅像落成式で、妻いと(秋吉久美子)の「こげんな人ではなかとよ」の真意は…?




三年連続主題歌を歌ったのは堀内孝雄。
「遥かな轍」は正に西郷の生きざまを唄った曲だと。
「こうとしか 生きようのない 人生がある」前作「愛しき日々」と同じ小椋佳の作詞。
堀内はこの後「はぐれ刑事純情派」シリーズのエンディングを長く唄うこととなる。