梶原一騎没後35年 | ヴェルディの星

梶原一騎没後35年

梶原一騎(1936.9.4-1987.1.21)没後35年。
「巨人の星」「あしたのジョー」を青春のバイブルにした方は多いことでしょう。一方で売れっ子作家故のパワハラ三昧。スキャンダルを起こした後は一気に干されることに。晩年は丸くなり穏やかな人生を送ったとも。
1987年(昭和62年)1月21日没、享年50。

「巨人の星」(昭和41年)
元祖スポ根。巨人軍を舞台にしているとは言えメインテーマは飛雄馬の成長物語。暴力的に見えて一徹父ちゃんは作中二回しか飛雄馬を殴っていないトリビア。アニメ化されて長期連載分を3年半かけてきちんと完走(182話)している。

「あしたのジョー」(昭和43年)
高森朝雄名義。作中で亡くなったライバルの力石徹の葬儀が本当に行われるなど社会に与えた影響は「巨人の星」以上だったかと。正に当時の若者達のバイブルに。人気原作者と人気漫画家(ちばてつや)の共作と言うことでの対立もしばしば。それだからこそこの名作が生まれたとも。ジョーの直接のライバルと考えず、ちばが大柄に力石を描いたため、梶原が力石に殺人的減量を課したのは有名な話。アニメ化もされ(途中10年中断)計126話でこちらも「巨人の星」同様完走している。

「侍ジャイアンツ」(昭和46年)
巨人の星連載終了後、少年ジャンプが巨人軍と独占契約を結び新たな野球漫画を。と言っても原作を巨人の星と同じ梶原一騎に依頼し「二番煎じ」と言われることもしばしば。実際主人公はサウスポーの剛球投手、巨人軍に入団し魔球を駆使、ライバルはイケメンの天才御曹子、幼い弟妹を養う巨漢、白人社会から差別を受けるマイノリティの外国人選手とここまでそっくり。
しかしこの作品のメインテーマは近く実現するであろう「長嶋茂雄のいない長嶋ジャイアンツ」に対する危機感。そしてそのため巨人の星以上に荒唐無稽な魔球の数々が。
アニメ化もされるが、こちらはオリジナル要素の強い展開となり、ラストは原作とアニメが180度異なることとなった。