「独眼竜政宗」から35年 | ヴェルディの星

「独眼竜政宗」から35年

35年前の本日1987年(昭和62年)1月4日、NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」放映開始。主演渡辺謙、脚本ジェームス三木。大河歴代最高の年間平均世帯視聴率39.7%を叩き出す大ヒット作となる。


4年ぶりとなる時代劇大河。主演に当時まだ若手で売り出し中の渡辺謙を大抜擢する。渡辺は大河、朝ドラの出演経験はあるものの主演は全く初めてのこととなった。その代わりでもないが回りは北大路欣也、勝新太郎、津川雅彦、三浦友和、八千草薫、岩下志麻、樋口可南子、竹下景子と言う、これでもかと言うほどの豪華キャストに。
これらベテランの中に揉まれて渡辺は国民的スターに上りつめることになる。



歴史的には決してメジャーな存在とは言えない戦国武将伊達政宗が主人公であることを危惧する向きもあったが、蓋を開ければ毎週記録的高視聴率。当時全盛期だった巨人戦ナイターシーズン(4-9月)以外は40%を切ることはほとんど無かった。この作品が引き金となり、この年から3年戦国時代が続くことになる大河はいずれも高視聴率を記録することになる。

このドラマの特徴がオープニングに先駆けての解説コーナー。昨年の「青天を衝け」で言えば北大路欣也扮する徳川家康による解説のような。以降このスタイルは大河でお馴染みのものとして定着し今に繋がる。

キャストも話題を呼ぶ。伊達家重臣鬼庭左月を「全員集合」が終了したばかりのドリフターズいかりや長介。伊達家旗本屋代勘解由に引退したばかりの元プロ野球選手江夏豊が。政宗の娘いろは姫を朝ドラで主演したばかりの沢口靖子が。そして政宗の正室愛姫(めごひめ)を「国民的美少女」ゴクミこと後藤久美子が。



渡辺謙が登場するのは8話から。それまでは子役の藤間遼太、嶋英二が。大河では子役時代が異例の長さとなった。藤間演じる梵天丸(政宗の幼名)の台詞「梵天丸もかくありたい」は流行語となる。

このドラマによって放映翌々年に政令指定都市となる仙台市にも大きな経済効果を生み出すことになる。
そして依然として教科書には詳しく載らない存在ながら、伊達政宗は多くの歴史マニアから愛されるメジャーな人気武将となり、また政宗だけでなく、伊達家の重臣伊達成実(三浦友和)、片倉小十郎(西郷輝彦)も「歴女」と呼ばれる女性歴史マニアほか多くのファンから人気を博す存在となり、現在に至っている。