【5+】
最近はまっているウディ・アレンをば。
映画の中からスターが出てきて、男と女が恋に落ちる、というなんともファンタジックならラブコメディー。
私の心を掴んだのはこの台詞
「自分の作品が邪魔をする」
これはスクリーンの中から現実世界に出て来てしまったキャラクターに向かって、それを演じる俳優が放った言葉。
この映画の中では、キャラクターが具現化してしまっていたが、この俳優の言葉は全ての俳優・女優の思いを代弁したものなのだろう。
キャラクターが一人歩きをし、当人の自由を奪ってしまう。
「古畑任三郎シリーズ」で人気を博した田村正和がもうこれ以上このシリーズには出演しない、と言ったのもそのような気持ちがあったからなのだろう。
好きな作品の中から好きなキャラクターが出てきて、自分と恋に落ちる。
誰もが一度は夢見たことがあるのではないだろうか。
映画のラストは、キャラクターにもふられ、スターにもふられ、再び好きな映画を見つめる主人公。
しかしその目には輝きが灯っている。
「現実から逃げずに現実の中にある幸せを見つめなさい」
というウディ・アレンのメッセージを感じた。