特許法等の改正(職務発明制度の見直し)>TAC新宿校(湯浅クラス)講義録20150718 | 弁理士試験合格!! 講師 湯浅竜のブログ

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弁理士の湯浅です。資格の学校TACで弁理士試験受験指導しています。論文の必須科目対策や著作権法を教えています。「1プラス9パターン学習法」や合格答案量産のための「10個のプロセス」を教えています。Twitter、Facebookもよろしくお願いします(^_^)

今回の法改正で、注目度が高いのが、
職務発明制度の見直しです。

新聞などでもよく話題になっていることから、
試験勉強以外でも耳にしたことがあるかたも多いと思います。


まずは概要について確認してみましょう
法律案の概要
http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001-8.pdf


①権利帰属の不安定性を解消するために、契約、勤務規則その他の定めにお いてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたとき は、その特許を受ける権利は、その発生した時から使用者等に帰属するものとします。
⇒つまり、特許を受ける権利が、使用者(企業)に「原始的に帰属」する
 ※従来:特許を受ける権利は従業者に原始的に帰属

②従業者等は、特許を受ける権利等を取得等させた場合には、相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を有するものとします。
⇒従業者に、「相当の利益」(従来でいうところの「対価請求権」?)が認められる
 ※従来:対価請求権自体は、従来からも認められれていた

③経済産業大臣は、発明を奨励するため、産業構造審議会の意見を聴いて、 相当の金銭その他の経済上の利益の内容を決定するための手続に関する指針を定めるものとします。
⇒ガイドラインができる
 ※従来:ガイドラインなし


ポイントは、①の使用者等に「原始的に帰属」するという点でしょう。
著作権法における「職務著作」に近づくイメージです。


次に、条文自体を眺めてみましょう

新旧対象条文
http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001-6.pdf

新1項:変化なし
新2項:概ね変化なし(いわゆる職務発明以外の発明に関する予約承継等は無効とする)
新3項:新設。職務発明、かつ、予め契約があれば使用者に原始帰属する
新4項(旧3項):従業者に「相当の利益」が認められる
新5項(旧4項):相当の利益を決定するためのプロセスについて(従来とあまり変わらない)
新6項:新設。新5項を考慮する際のガイドラインを作りましょう。ガイドラインはまだできていない。
新7項(旧5項):相当の利益は、使用者等の負担なども考慮してね


大きく変わるのは、新3項(原始的に帰属)と、新6項(ガイドライン)ですね。


実務的には、ガイドラインの中身が重要ですが、
試験的には「まず条文」です。

「概要は詳しい(けど、条文はちゃんと読んでいない)」

みたいな、ことにはならないようにしたいですね

(参考)経産省HP
http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001.html



★2.お知らせ 
1) 「受験新報Vol105」(法学書院) 
※ 湯浅の寄稿した記事(「条文読み込み」とは?/「合格答案作成のための10個のプロセス」とは?)が紹介されています 詳細はこちら


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勉強方法について、書いています。気分転換程度にお読みください 
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