お疲れ様です。
今日はあなたの心を楽にする、アドラー心理学の考え。
『課題の分離』をお伝えさせてください。
後輩や患者さん、誰かに相談を受けた時に覚えておくと課題の整理のための基準にもなるし、いろいろ便利です。
アドラー心理学ではこう考えます。
人生の課題は、原則として本人が解決しなければならない。
『課題の分離』を考えるには、これは誰の課題か?
ある選択の結末を誰が最終的に引き受けるのか?
を考えれば分かります。
誰の課題かがわからないほど課題が混同されている現状では、
もつれた糸をほぐすように、
これは誰の課題というふうに課題をきちんと
分けていかなければなりません。
Aさんの例からすこし考えてみましょう。
・隣のお宅のBさんの息子さんが、学校に行けなくてずっと家に引きこもっているみたいなんです。何か私にできることはないか考えているんですが、何も思い浮かびません。
自分の力のなさに気持ちが落ち込んでしまいます。
極端な例に思えるかもしれませんが、結構こういうことで人は思い悩むものです。では分離して考えてみましょう。
ある選択の結末を誰が最終的に引き受けるのか?→学校に行けなくてずっと家に引きこもっている(個人的には学校に行けなくてずっと家に引きこもっている状態が悪いとは思えませんが、この場合あくまで例として・・・。)、この結末を最終的に引き受けるのはBさんの息子さんです。なのでBさんの息子をどうやったら学校に行かせられるのか?をAさんの課題として考えてしまっていては【課題が混同されている】状態です。
ではAさんの課題は?
ある選択の結末を誰が最終的に引き受けるのか?→自分の力のなさに気持ちが落ち込んでしまう。
ちょっときつい言い方ですが、他人の課題を自分の課題と混同してしまい、必要以上に考え込みすぎたり他人の問題に踏み込みすぎたりするのがAさんの課題と言えるかもしれません。
なので、例えばBさんの息子さんを何かしらの手立てで学校に行かせることができたとしても、今度は向かいのお宅の夫婦仲が悪いことに思い悩み、落ち込んでしまうかもしれません。
整理します。
Aさんの課題→自分の力のなさに気持ちが落ち込んでしまう。
となるので、僕がこの方にカウンセリングをするなら、自分の課題と他人の課題が混同していることを伝え、紙や付箋に書きだすなどして課題の整理を行います。
整理ができたら、Aさんの課題に注目してそこに向けたアプローチを一緒に考えていきます。
気を付ける点としては、Aさんには根本に優しさや人の役に立ちたいという気持ちがありそうなので、まずはゆっくり傾聴したうえで「アドラー心理学の考えとして、課題の分離という考えがあります」という形で伝えます。
Aさんは課題の整理ができていない!という僕の意見ではなく、アドラーさんはこう言っているんですが・・・という伝え方です。
ものごとは、何を言うかよりも誰が言うかも大事だったりします。
この人が言うなら・・・。と思っていただける関係性作りのとっても大切です。
と、いうわけで今日はあなたの心を楽にする、アドラー心理学の考え。
『課題の分離』をご紹介させていただきました。
コレ、僕ら看護師のような対人援助職の人は、僕も含めて課題の混同をしてしまいがち。
誰かに相談を受けて悩んでしまっている自分がいたときは、ぜひ紙や付箋を使って書き出し、視覚化してみてください。
他人の課題を肩代わりしようとして思い悩んでいる自分に気づけたりします。
課題の分離は、冷たい関係性ではなく「涼しい関係性」を作れます。
お読みいただきありがとうございました。