ひとの借金の保証人になるというのは時として人生を狂わせるものです。金融のプロである銀行も、本件の不正保証により破綻の瀬戸際に立たされています。
2月14日、パンジャブ国営銀行 (Punjab National Bank, PNB) はムンバイ支社で 1,900億円超の不正取引があったと発表しました。 貴金属商の億万長者ニラブ・モディが経営する会社との取引で、PNB は不適切な銀行保証をしていました。
PNB はニラブ・モディ経営の会社に対する輸入品の債権者に対して「返済されない場合には PNBが代わって支払う」との銀行保証をしたのです。今回のケースでは、輸入品を担保に取るとか保証額の上限を設定するという、PNB として保証リスクを限定する措置が取られず銀行保証が供与されていました。
それではPNB銀行保証の結果として何が起こったか。そのほとんどは本来の輸入品に関する保証ではなく、ニラブ・モディ関連企業の過去からの借入を清算するために流用されました。それでPNB の負債が1,900億円超に至った次第です。
実はPNB の担当者2人はこの不正銀行保証をニラブ・モディ関連企業の求めに応じて7年間発行し続けていました。そのうち1人が退職。今年の1月に新しい担当者が入り、保証の申込に担保を当然要求したことで、ニラブ・モディ関連企業が対応を問題視。PNB銀行が本格的な調査を行ない事態が発覚したものです。
1,900億円の不正は当地インドでも相当の驚きをもって受け止められています。私がかつて勤めた銀行も一部の経営者が野放図な融資で経営を破綻させました。歴史は各国で繰り返すものです。こういうことが起こらないように、特に実務に携わっている人たちは早期に警鐘を鳴らす必要があります。
間違ったことが行なわれているならば、頬っかむりしてはいけません。不正に気がついたあなたが知らんふりをすることで、会社が破綻して何百人もの同僚が路頭に迷うこともあり得るのです。長年勤めた会社の破綻は何とも悲しいものです。もし今あなたが誰かの不正を知ってしたら、明日上司に相談をしてください。
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