道は、自分で新しくつくれ。困難を克服して前進すれば、道はおまえの後ろにできるだろう。
- 井植 薫
人と話をする、いわゆる営業の仕事を二十数年やってきました。一番心ときめく瞬間は、掘り出し物を見つけた時。いや、正確には「掘り出し人」。100人に 1人くらいはいます。人として本当に素晴らしく、ずっとお付き合いしたいと思える人が。
掘り出し人の一番の特徴は、苦労を楽しんでいること。先日お会いしたメーカー社長のYさんは面白い人です。現地法人立ち上げのために一人でインドにやってきました。
「最初はデスク一つ、パソコン一つで仕事は始められるもんですがね」と屈託なくYさん。
駐在員事務所がやがて販売会社となり、今は製造会社へと進展。従業員も数百人規模となっています。その間、販路の開拓から会計システムの導入、人の採用までほぼ一人でやってきました。
「祝祭時 の従業員への祝い金を安めにしたら大ブーイングで、ストライキ寸前になりましてね~」
頭をかきながら語れる Yさんに、百戦錬磨のしたたかさを垣間見ます。
仕事は何をしても苦労が多いものです。「同じ苦労をするなら、何か新しいことをやって道を切り拓いてみようじゃないか」という発想。それが掘り出し人に共通する特徴です。毎日四苦八苦しているくせに、瞳は好奇心にあふれています。
人の物まねより、自分で何か作るほうが面白いに決まっています。