残すところあと数日。

10月から、待ちに待ったビールの減税が行われる。
やっぱり、ビールがおいしいから発泡酒より、第三のビールより
ビールが飲みたい。



ビールの減税は、それはそれでうれしいのだけれど、
うれしくないことがついに、始まる。

 

 

適格請求書等保存方式、
いわゆる「インボイス制度」。
 

事務処理が増えるインボイス制度


 

ついに導入されることになった「インボイス制度」。

年間売上1,000万円以下の免税事業者に起こる大変革と
思っていたら、実は大企業にも中小企業にも
関わってくることがある。


主力取引先に免税事業者がいれば
もちろん大きく関係があるのだけれど、

そうではない場合でも
いわゆる会社経費を支払って後精算する
機会がある方にも関わってくる。


文具や書籍、交通費や飲食代などを支払ったとき、
インボイス登録事業者か否かで

社内の処理が変わってくる。

会社によっては「登録事業者から購入すべし」
との方針が出されていたら
わざわざインボイス登録事業者を探して
お店を選ぶ必要が出てくる。


個人タクシーを利用する際なども
その多くが営業収入400万円前後で年間1,000万円以下の免税事業者なので
適格請求書発行事業者として届出なければインボイスが発行されない。


例えば、タクシーを利用した交通費について考えてみる。
支払いが税込 3,300円だったとすると

課税事業者の場合の経費処理は、
交通費 3,000 仮払消費税 300 ←受け取った消費税から相殺

免税事業者の場合の経費処理は、
交通費 3,300

となる。
また2年間の経過措置期間中の経費処理は、
交通費 3,060 仮払消費税 240

となる。

実際の処理は経理がやってくれるとしても
最低限の理解は必要になってくる。

 

この時点で複雑で面倒で間違えが起こりやすく
なっていると感じる方も多いのではないか。


わたしはもう、嫌気がさしてます。

 

手間と税金が増える小規模課税事業者


 

更に、制度開始を機に課税事業者になる小規模事業者や
個人事業主は地獄だ。

昨年と同等の売上であっても、課税額が増える。
消費税は国内売上税のような性質の税なので、赤字であっても
売上高に応じた税を納めなければならない。

そして、前述のような複雑な事務処理もしなければならない。


少しでも効率化しようと補助金などを使って
システム導入の投資をされた方もいると思う。

ただ、補助金があったとしても、システムを使うのはニンゲン。
使い方を理解し、使いこなさなければならない。
場合によっては複数の社員に周知しなければならない。

そして何より、システムを導入しても
その処理に対する事務作業がなくなるわけではない。


多くの人が関係する制度がここまで複雑で面倒だと
人的、時間的なロスが増え、納税額増加と共に
その負担が後からボディブローのように効いてくる。


本来業務に割くべき時間と資源を
そんなわかりにくい制度に割かなければいけなくなるので
業務効率や生産性は間違いなく下がり、
売上や利益にも影響してくる。

 

 

インボイス以前に、慣習で複雑な作業をそのままにしていないか


 

インボイス制度や消費税は国が進める制度なので
逃れることはできない。
早く、今よりずっと優秀な政治家や官僚が制度を
変えてくれるのを待つしかないけど、

会社や所属する部門や部署でも
同じようなことになっていたら、もっと危険。


例えば、
申請するデータや書類の書式の中で、
無駄に入力箇所が多かったり
無駄に決裁過程が多かったり、
細かすぎるルールがある場合は要注意。

 

複雑でわかりにくいために作成に時間がかかり、
ミスが起こると修正する時間もかかり、
チェックする者が多いと、更にその分時間がかかる。


そこにインボイス制度が加わったら、より多くの時間が取られてしまう。



直近で会計制度を変更したり、新たな収益認識基準を
採用した会社もあると思う。


そういった会社は特に、既に複雑で煩雑な作業が
増えているはずなので、負担は大きいと思う。


 

だから、省ける部分は省き、
シンプルにできる部分はシンプルにした方がいい。


 

先ずは身の回りから、マネージャーが積極的に改革していく


 

例えば、よく使う入力書式で
入力欄があるのにチェックされていない箇所は
最初から「空欄にする」というルールにして入力を省いたり、

方々に散らばっていたデータや資料を一か所にまとめ、
一覧で見られるようにしたり、

ケースによって細かいルールが複数設定されていたら
ざっくりでいいのでシンプルにまとめ、
迷ったときは上司に質問する、というルールに変えるなど

以外と「面倒だなぁ」と思いながら
流れでやり続けていたことはあると思うので
そういった身近なところから着手するといい。


 

特に多くの人が関わることを効率化できると、
( 短縮時間 x 人数 )という掛け算で時間を
捻出できるようになる。


効率化が簡単で、大勢に関係することを効率化できれば
投資対効果はそれだけ大きい。
 

 

 

管理職の方がこれを読んでくれたとしたら、
これはお伝えしたい。

 


変化が激しい昨今ですが、
インボイス制度なるものを押し付けられても
タダでは起きない、逞しい管理職を目指してください。

 

なぜなら、

国から言われなくても、遅かれ早かれ経営者や上司が
無理難題を言ってくるので、必ず。笑

 

 

早めに慣れておきましょう!

 

 

 


 

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。

 きのした