4月に、
異動と共にマネージャーを拝命し、
すぐに部署内の改善に着手。

 

 

7月のある日、
 

期首に経営陣から示されていた
営業強化指示があった
 

あるお取引先についての

聞取りをするので、
 

プレゼンをして欲しい、と

上司の部長から話があった。

 

 

 

 

当時、年間、7千万円くらいの取引額があった
お取引先に対し、3億円まで拡大せよ、
という指示だった。

 

 

指示の内容はとてもざっくりしていて、
詳細の説明もなければ
 

いつまでに達成する、という期限の提示もなかった。

 

 

 

いずれにしても、
部署の稼働人員は少なく、
稼働人員も粉飾文化に染まっていて、

また、紙と鉛筆と電話とファックスを
主体とした超アナログな業務進行態勢
であったので、

 

先ずはそこの立て直しが最優先、

そのお取引先への対応は
小規模な対策は講じるものの、

本格的なものは予算の修正も必要になるので
1年後からか、と思っていた。

 

 

 

直近数年の状況を整理してみると、

そのお取引先は、1社なのだが
店舗数が何百店舗もあって、とにかく多い。

その割に、1店舗当たりの売上はかなり小さい

そして、各店舗からの個別発注体制であったので
現行の人員では、手間がかかる割に
売上は伸びていなかった。

 

 

上司から指示を受けて2-3日後、
経営会議の場で執行役員以上の方々に
 

今現在の状況説明と

3億円を目指すプランを幾つか立て、
 

それを達成するために必要な体制や予算などの
プレゼンを行った。

 

 

 

ここで言いたかったのは、
 

すぐに3億円を達成するのは難しいが
第一歩目はすでに着手していて、

 

更に大規模で営業を掛けていくには
現場の営業が足りないという点で、

 

 

そこに関しては「伝えられた」
と思っていた。

 

 

 

 

考えが、甘かった。。

 

 

 

 

 

時は流れ、10月
早くも人事異動の発令が下る。


たかだか、5-6人の部署にマネージャーがいるというのに、
そこへ更にわたしの新上司であるゼネラルマネージャー
と言われる部長職が追加配置されたのだ。

 

 

「現場担当者が足りない」のに、
なぜか、中間の上司が入ることになった。

(生意気言いすぎたから、お灸をすえられたか。。)

 

 

 

当時、営業部署は「部」という名称になっていたものの
実態は「課」で、3課体制が敷かれており、

3課にそれぞれマネージャーが配置されて
それを統括する形でゼネラルマネージャーという部長職が1名、
配置されていた。

 

 

そこに、3課のうちのひとつの責任者として
統括と同じ職位の部長職が入ってきた。

 

「おいおい、大丈夫か?」


混乱しないよう、
交通整理はきちんとしてあるんだろうな?

 

もしくは、これからしっかり
交通整理するんだろうな?

 

 

疑心暗鬼になりながら、
新しい上司である責任者に
粛々と権限移譲をしていった。

 

 

 

当時の体制は概ね下記の通り。

 

■執行役員 営業本部長
     ↙        ↘          ↘  ↘  ↘
□東京営業部長(1~3部)  □営業3部長    □札幌 □大阪 □福岡
  ↓      ↓         ↓
・第1部(課)・第2部(課)  ・第3部(課)

 

 

営業本部長には事務方がいなかったので
ひとりで全体を見れる訳もなく、

体制の変更によって、事実上、
東京の営業を統括する機能が失われてしまった。

 

 

 

3月まで、各部部長職課長職を置く
わけのわからないマネジメント体制であったのを

4月にスッキリさせたのに、
また逆戻りになった。

 

 

 


東京営業部長に、
並列部長がいることで
東京営業の統括機能がなくなった点を指摘すると、

楽観的な返答が返ってきた。

(大丈夫か、コイツ)

 

 

 

念のため、

新たな直属の上司を中心として報告は行うが、
必要に応じて、東京営業部長に情報共有することと、
決裁書類もできる限り回すことを伝えた。

 

 

 

 

 

しかし。。。
問題はすぐに起こった。

 

 

 

新たな営業3部長は、
とにかく上位部門からの情報を
下に出さない主義で、

かつ自分の行動や考えなんかも
発信しないひとだった。

 

 

更に最悪なのは、着任したばかりで
わからないことが多いはずなのに、

上からの問合せに対し、
下にいる自分たちには質問せず
適当な返答をしていたようだった。


しかも、異動元は商品センターに付随する
催事部門(大きなホールを借りて行う合同セールを運営)
からで、営業職としては

数十年ぶりの復帰、ということだった。

(だから、尚さら、聞いてくれよ)

 

 

 

そして案の定、
わたしを経由する決裁書類は
東京営業部長に回すようにしていたのだが、

営業3部長の独断による決裁書類は
そのまま本部長決裁で処理されていた。


その内容は、
営業本部長と営業3部長しか知らない
状態となった。


ある日、東京営業部長から
「よく知らないところで、色々な話が進行している
らしいんだけど、聞いてない?」

 

と言われた。

(聞いてねぇよ。だから、
状況が見えなくなるぞって言ったんだよ)

 

と心の中で呟きながら、


「聞いてたら、報告するんですけどね。。

あとは、動いている雰囲気が掴めたら
営業3部長に確認もできるんですが、
それも見えないので困ってます。

また、困っていることを伝えても、
伝え方が悪いようで、改善されていないんですよね。。」

 

 

と、怒りを飲み込んで
ありのままの状況を伝えた。

 

 

 

そして、あとは上同士でうまくやってくださいよ、
と伝えたが、改善されることはなかった。

 

 

だから、せっかく組織単位で
同じ目的に向かって動いているはずなのに、

ひとつの方針の下に皆が連携できないので、
チームがバラバラになり、混乱していった。

 


さらに、そういったことが続いて不信感が募り、
右往左往することも増えていった。

 

 

 

これは、いわゆる、「指揮系統の混乱」



チームで仕事をしていく上で、
一番やってはいけないこと。


誰が、リーダーなのかわからない状態。




混乱しつつも、立て直す策はあった。

それは、営業本部長が
 

東京営業部長と営業3部長を同時に呼んで
互いに状況を確認し、3者の足並みを
揃えればいいだけ。

 

それを定期的に行えば、
多少の問題は起こっても
リカバリできる。

 

 

しかし、それはなされなかった。



そして、
東京営業部長からも、営業3部長からも
歩み寄りがあまりなく、

 

それぞれの部長から
営業本部長とのやり取りを行う
単一系統になっていた。

 

 

点でバラバラ、
まさに
「船頭多くして、船、山に上る」

 

 

 

 

 

組織は、シンプルがいい。

よくわかっていないひとが
組織を設計してはいけない。

そして、上意下達が基本で、
指揮者が誰か迷うような

並列をつくってはダメ。

 

 

 

 

この間、
やりたかった改善案の実行が滞り、
やる気が削がれ、

情報がなく、全体像が見えない
ストレスに晒され、

消耗し、疲弊していった。

 

 

 

 


 

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
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 きのした