戦力の逐次投入ほど愚かなことはない。
大々的な戦力の投入を決定して、いや、正確に言うのならば私が脅迫まがいの手段まで持ち出してゴリ押しをして2ヶ月。ようやく多少は見られる数字が返ってきた。
奇跡を起こせるとするのならばこれしか方法がなかったので、腹をくくって勝負をかけた。
正直まだまだ足りないが、本人も教えている我々も手応えを感じつつある。
つくづく、去年一年無駄にしたのが大きい。この一年のブランクが無ければ、おそらく今、かなりのところにいたと思う。
そして、本当に某予備校はこの子には合わなかったのだと。
鍵を握るのは数学と物理。
この成績次第で奇跡を起こせるのかが決まる。
絶対無理と公言していたスナイパーが珍しく色気を見せ始めているので、ひょっとするとひょっとする可能性がゼロではなくなりつつあるのかもしれない。酸化還元反応ごときで点を落とすようでは化学はまだまだだが。
ただなぁ、
「一人一教科ならば、ほぼ満点とれるんでないの?」
「30分あれば解き終わるでしょう」
とか会議で話になるレベルの問題に去年は太刀打ちできなかったわけだから、どんだけ力が落ちていたのか。
難しいことはいらないのである。基本に忠実に勉強さえすれば、結果は自ずと付いて来る。
化学と物理は重問を解いて、過去問演習しているだけ。数学はチャートのやり直し。そのあと多分過去問演習。英語はある程度出来ているので今一度の確認と読解訓練。
正直、奇をてらったことなど何もしていない。
去年、現時点の学力レベルにまで力が回復していれば、おそらく私立は取れていた。ひょっとすると国立もギリギリ引っかかったかも。
そういう予感をさせる結果が返ってきた。
問題はここから何処まで点を上げていけるのか。はっきり言ってまだまだ足りない。奇跡を起こすには、鼻差でいいから差し切って勝つためには、ここからが苦しい戦いになる。
それでも、ようやく小さな小さな希望の灯りが見えた。
そんな気がした結果であった。
追記
私の逆鱗に触れた馬鹿は、まだまだ根本的な覚悟が足りない。
自分の言ったことに対して、行動がまるで伴っていない。