ここ数日のいろいろな経験から、私は無理難題を要求しすぎているのだろうかという疑心暗鬼に駆られ始めている。
生徒を目の前にして、その生徒に理解できるようにどのような説明をするのか。そしてそのためにどのような工夫をするのか。全てを求めることは無理な生徒に対して、自分が教えなければならないものの中からどういう取捨選択をするのか。
私はその戦略をどのように考えたのかを見たいのだが、そのことが伝わらないらしい。
小綺麗にまとめようとしたり、与えられたものを全てやろうとしたり。あるいは「正しい」けれども、生徒には伝わらない説明だったり。
それでは、教わる子どもの方が困る。
全部出来るのであれば、はじめからうちには来ない。河合塾とかけやき塾とか、秀英とか大手の塾の特進クラスに行けばよい。大学受験生ならば、大手予備校か学校の授業だけで事足りている。
例えば織豊政権期ならば、いよいよとなれば太閤検地と刀狩りと楽市楽座だけに絞って説明してやった方が、出来ない生徒にとっては少しでも歴史が理解できるし、何より点に結びつく。
私が見たいのはそういう取捨選択と工夫なのだが、それをしようという形跡が見えない。
経験がない以上、授業がつたないは仕方がない。
だが自分が受験を乗り切ってきたときに、どこに重点を置いてどこを切り捨ててきたかの経験はあるはずなのである。
そして相手に理解してもらうためには、伝わらなければ説明の仕方を変えなければならないのである。
全て上手くやれと言っているのではない。
試行錯誤した跡が見えないから、「修行が必要だ」と言うのである。
「見習いをやる気があるか?」と聞くのは、鍛えればどうにかなるかと思っているからであり、鍛えても無駄だと思えば、夕飯などごちそうせずにさっさと帰ってもらうだけだということも理解しておいた方がいい。
追記
工夫をするという意味では、トランペット・スーザ・タッチのほうが、よほどアイドルに対して理解させるためにどうすればいいかを考えている。
追記その2
一度も経験がなかった姫も、「どこを押さえて説明をすればよいか」という点については、十五分に考えてやっていた。でなければ、たとえ姫であろうとも私は評価はしない。
寺子屋ふじかわ
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