「わかりましたよ、犯人が・・・・・」


ヤベェ・・・・・・・・小五郎のおっちゃんが、また暴走を始めた。



ここはM県S市のとある寺子屋。


園子の友人のアストライアーの招き(?)で俺達(つまり、コナン御一行)は、S市にある某寺子屋に来ていた。



ところが、せっかく招いてくれたはずのアストライアーは具合が悪いと家に引き籠もってしまい、今、俺達の目の前にいるのは、爽やかで健康そのもののアルピニストと、これまたとうの昔に新型インフルエンザにかかってしまい、今やどうやっても新型インフルエンザにかかることのないスーザと、そして「風邪」から立ち直りつつある寺子屋の主の藤川というおっさんだけである。



「犯人はインフルエンザを蔓延させることで、利益を得る人物でなければならないのです」


小五郎のおっちゃんが、見当違いのことを言う。



「そうなると、犯人は自分が絶対にインフルエンザにかかることのない人間でなければならないわけです」


・・・・・・・・・小五郎のおっちゃん、そりゃ、根本的に間違っている。



小五郎のおっちゃんは、スーザを指さし、あまりに「予想通り」で「無意味」な「答え」を言おうとする・・・・・・・・。



「今回のインフルエンザ騒動起こした犯人は、ス・・・・・・あれ?・・・・・はれ・・・・・ひれ・・・・・ほろ・・・・・・」


見るに見かねて、俺は麻酔銃をおっちゃんに撃ち込み、いつもの通り「眠りの小五郎」になってもらう。



「犯人には、インフルエンザにかかっている自覚などなかったんですよ」


俺は、いつもの蝶ネクタイ型変声機で小五郎のおっちゃんの声を作り出す。


「インフルエンザといえば本来は最低38℃台、低体温の人でも38℃近くまでは熱が上がるものです。ところが、寺子屋に通っていたアルトサックスさんは36.5℃の時点で弱い新型インフルエンザと断定されました。また、寺子屋の先生が個人指導に伺っていたバトンさんも、『熱はほとんど無いのにインフルエンザと診断された』という事実があります」


寺子屋の主人の表情が一変する。


「藤川さん。あなた、先日咳込む人のそばにおられたと言っておりましたね?あなたの喉の症状が悪くなったのはいつ頃からですか?」


寺子屋の主の表情が強ばる。


「たしか・・・・・その二日後ぐらい・・・・・・・」


「あなた、平熱はどれくらいですか?」


「普通なら35.5℃ぐらいですが・・・・・・・」


「では、具合が悪くなってからの体温はどれぐらいでしたか?」


「37℃前半ぐらいですが・・・・・・・・」



「聞きましたか、皆さん」


俺は、改めて周囲にいた欄や園子をはじめとする人々を見回す。


「通常、普通の人の平熱は36℃台前半です。少なく見積もっても、0.7℃の差がある。これを通常の人に換算すると、藤川さんの熱は普通の人の38℃台にあったと言って良いのではないでしょうか。しかも、藤川さんと濃厚接触があった、アストライアー・バトン・アルトサックス・ピザの諸氏がほぼ同じ症状に倒れ、そのうちの50%が新型インフルエンザ判定を既に受けている。しかも、残りの二人は病院に行っていないから判定を受けていないだけで、症状は基本的に同じである。さらには、ホストさんをはじめとして『先生の具合の悪さは尋常ではなかった』という証言がある。これは、本人の自覚とは別のところで、確かに彼がインフルエンザをばらまいたという可能性が極めて濃いのです雷


「いや、38℃台があれば、私は即座にフラフラになることは昔経験していますし、咳込んでいた人間のそばにいたのは確かですが、その人物は発熱しなかったわけですし・・・・・・・」


「あなたは、本当に発熱していなかった事実を確認したのですか?アルトサックスさんは、36.5℃で新型インフルエンザの判定を受けましたよね?」


「いや、しかし、アルトサックスはその後38℃台まで熱が上がったので、それは妥当なのではと・・・・・」


「では、あなたは普通の人換算で38℃台に絶対になっていなかったと言いきれるのですか!」


寺子屋の主が狼狽する・・・・・・・・。


「私は、何もあなたが故意にインフルエンザを振りまいたと言っているのではないのです。インフルエンザといえば、本来は高熱が出て動けなくなる重病です。ところが、今回はスーザさんの事例などもあり、人によってはどうやら軽傷のようなのです。おそらく藤川さん、あなたがうつされた方も又、ご自身がインフルエンザだという自覚はなかったのだと思います。」


「ただ、あなたは多くのお子さんの面倒を見る職業である。いくら仕事が忙しかったからとはいえ、熱が出た時点で、病院に行くべきではなかったのではないでしょうか」


がっくりと、寺子屋の主人が崩れ落ちる。




俺は、別に寺子屋のおっさんが故意にインフルエンザをばらまいたとは思っていない。実際このおっさんは、何故か薬箱にタ○フルを持ち、外科手術用のマスクを持っている人間である


ただ、このおっさんが、全く無自覚に弱いインフルエンザを勝手に風邪と誤認してばらまいた可能性が高いと指摘しただけなのである。


わざわざ地方に遊びに来て、こんな生産性の無い事件に巻き込まれるのはゴメンだぜ。






というわけで・・・・・・・・・・・・・



断定は出来ないものの、私が無自覚にインフルエンザをばらまいた可能性が高いことを、関係各位に平謝りする次第です。


<(_ _)>


申し訳ありません。











宮城仙台杜の都のプロ家庭教師 藤川先生
「寺子屋」始めました。

「ふつー」じゃないけど、楽しく勉強。
「塾・学校で困っている」、「今の家庭教師が合わない」方、ご相談下さい。