言葉足らずだったのは認る。
しかし、去年から私の指導を受けているご家庭の親御さんは良く理解されておられた。
結局、実力が無く高校や大学に入っても意味がないのである。
かつて、数ヶ月だけ推薦で某進学校に入って、不登校になってしまった生徒さんの面倒を見る機会があった。
正直に言うと、某私立高校への転校手続きまでコネを使って段取りをつけておいたのだが、結局親御さんの見栄と本人のプライドの前にその計画は挫折し、藤川は解任される結果になった。
私は、今でもあの時その高校を脱出することが、あの娘にとって最善の策であったと信じて疑っていない。その後のことは、解任の経緯が経緯だったので聞けずじまいであったが、転校をしなかったことだけは把握している。
他の人間が1~2時間で出来る作業を、分不相応の学校に行った能力のない子は丸一日かけなければならない。
その劣等感は、外野や子供に過度な期待をかける親御さんにはわからないのである。
苦しむのは子供である。
私は、そういう立場に自分の生徒を置きたくない。
勝てる可能性がある限りは、私は魂を悪魔に売ってでも仕事をする人間である。
ただ、それは自分の生徒にとって、それがベターだと信じられる限りである。
とりあえず、大学受験組に告ぐ。
甘ったれる前に、死にものぐるいで勉強しろ。
引導を渡すのは、まだまだ早い。
とにかく、自分が何をしたいのか。
それを見つけなさい。
後悔するのは親ではなく、自分なのだから。