病院生活が長くなると
いろんな人に出会い
いろんな話を聞く。
5年ほど前に入院していた時は
抗がん剤の副作用がなくなって
次の投与の前まで
比較的元気に過ごしていた。
寝てばかりでは筋肉が衰えると思い
私が入室している病棟の4階から階下まで
階段を使って昇降していた。
朝食前の早朝に、下まで降り
それから玄関ホールの前にあるソファの上で
ヨガのポーズでストレッチをし
少し瞑想をして、
階段近くの自販機でコーヒー牛乳を飲んで
再び階段を昇り、病室に戻るということを
日課にしていた。
ある日、玄関ホールでストレッチをしていると
床を懸命に掃除している掃除のオジサンに
声をかけられた。
「奥さん、そんなに元気そうなのに何の病気なの?」と聞いてきた。
私はそれには答えず
「毎日朝早くから大変ですね」と言うと
「私は長い間、運送会社で
長距離の運転手として働いていたんですよ。
ところが会社が倒産しちゃったんです。
で、運転手の仕事を探したんですけど、
それがないんですよ。高齢だということで」
年齢を聞くといま70歳だと言う。
ここでの仕事をして5年になるというから
65歳くらいのことか。
「で、この仕事に就いたんです。食べていかなきゃならんですからね」
朝4時頃に起き、
5時には仕事をしていると言う。
オジサンはそんな話をしながら
掃除機を走らせて行った。
このような話は、それなりに聞いてきたので
長くなるので、次のお話は次回に回そう。
お楽しみに(笑)