先制を許したまま、試合は進んでいった。

それにしても暑い、その上、緊張で肉体的にも精神的にもかなりの疲労感を感じていた。

それに加え、私には寝不足という大失態がある。さらに声も出ず、全く役に立てない状態である。

試合は4回表の攻撃まで進んだ。我々の攻撃である。

先頭は3番のリョウタ、2球目を打ち1塁ゴロに倒れる。4番のノリが四球を選び出塁。5番ハマは平凡なゴロとなったが、相手野手が悪送球を投げ、一気に1死2・3塁となった。

ここで6番のニシモ。0S2Bからの3球目をフルスイング。打球は左翼線に安打となり1点返した。ベンチは一気に盛り上がる。

しかし、7番チンパン、8番ツバキが倒れ、この回1点で終了した。

その裏のN大学の攻撃は、ノリがしっかりと抑え0点で終わった。

5回表の我々の攻撃。

先頭は9番の私からである。何とか出塁しようと必死に食い下がるが、1塁フライに倒れてしまった。

1番に返り、ヒデキが四球を選び出塁。2番のナベさんが左中間に安打を放った。左翼手がもたつく間にヒデキが一気に3塁をおとしいれ、1死1・3塁のチャンスとなった。

ここで3番リョウタが、思い切りたたきつけ、1塁ゴロとなった。その間にヒデキが一気に生還。

やった!ついに同点だ!この私たちが、強豪N大学に食らいついている。

昨日の関東G大学戦がよみがえる。追いついて追い越すんだ!

みんなの気持ちが一つになった。集中力だ!気持ちが切れた時点で負けだ!

声を大にして叫びたいが、声にならない。悔しい思いは募るばかりだった。

それにしても暑い。なんかフワフワして、頭がぼーっとしてきた。

でも、私以上にノリは疲れている。こんなところで弱音を吐くわけにはいかない。気持ちで必死に食らいついていった。

同点にした5回裏のN大学の攻撃。

先頭1番に四球を与えてしまう。ノリもかなり疲れている。

2番を1塁フライに打ち取ったものの、その後3番、4番に連続8つのボールを与えてしまい、無死満塁の大ピンチとなってしまった。

「ピッチャーがんばれ!」声が出ないながら、必死で声援を送る。

続く5番打者は左打者である。第1打席でも安打を放っている。

その初球、打者はノリの速球を思い切りすくい上げた。打球は私の方に向かってグングン迫ってくる。

「ま、まさか・・・・」ビヨンドマックスの真芯でとらえられたようである。

打球は予想以上の伸びを見せ、無残にも私の遙か頭の上を越えていった。

満塁ホームランである・・・・・。

N大学のベンチは大きな歓声で包まれ、走者一掃の一打に悔やんだ。

2-6・・・・ここに来て大きな4点がのしかかる。

しかし、まだ負けたわけではない。これからだ!

主将としてできること・・・・・、それは、みんなを後ろ向きに考えさせないこと、あきらめさせないこと。

これしかできない。残された回で、できることを精一杯やるしかない。