4回表の我々の攻撃。まだまだ食い下がる。

まずは先頭は4番のノリ、2球目をフルスイングし、打球は左翼線のポールを巻く3塁打となった。

さらに5番のハマが中堅前に安打を放ち1点いただいた。これで2点差である。

6番ニシモは投手ゴロであったが、処理を焦った相手投手が暴投を投げ、無死1・2塁となり、チャンスを広げた。

7番チンパンは惜しくも三振で1死。ここで8番のツバキが打席に入る。0S2Bからの3球目を右翼線に安打を放った。それにより2塁走者のハマが一気に生還し4-3の1点差まで詰め寄った。

ここで9番の私が打席に入る。監督からはリラックスして、先ほどの振りを見せろとのアドバイスが飛んだ。

1死1・2塁のチャンス、絶対打つ!そう誓い投手をにらみつけた。

0S1Bからの2球目。私は思いきり振り抜いた。打球は二遊間に転がる。

「やばいっ!」

打球を捕った2塁手がそのままセカンドベースを踏み、すぐさま1塁に投げる。併殺を狙いに来た。

私は必死で走り抜けた。

「セーフ!」

なんとか併殺を逃れた、そしてその瞬間に2塁走者のニシモが本塁につっこみ生還した。ナイス走塁だ。

そして同点となり、試合は振り出しに戻った。

「いけるっ!いけるぞ!俺たちのチームは負けてない!」そんな気持ちがチーム全体に強く感じられた。

その裏は安打を1本打たれるが、4人で終え、5回の攻撃へと入っていった。

ベンチ前で円陣が組まれる。監督からは、一つ一つを大切に思い切りプレーをしろとの檄が飛んだ。

その後、私を中心に声をかけた。「いくぞっ!」「おぅっ!」

チームが一つになっている。今までにない勢いと、全員が寸分狂わず同じ方向を見つめている。そう感じた。

しかし5回は両チームとも譲ることなく0点のままで終わり、試合はいよいよ大詰めの6回を迎える。

攻撃の前、さらにベンチ前で円陣を組み、監督から「ここで行くぞ!絶対勝つぞっ!」との檄が飛び、引き続いて私が声をかけた。

「テクニック的なことは私は何一つわからない。でも、ここまで来たら気持ちの問題や。集中力を切らした方が負けや。集中や!絶対負けへんぞっ!いくぞっ!!!!」

「おうぅ!!!」

そのかけ声がグラウンドに響き渡り、その声が勝利の女神をこちらに向かせた。

6回表の攻撃は、7番のチンパンからである。そのチンパン、3塁ゴロに倒れ1死となった。

しかし7番のツバキが死球で出塁する。

次は俺の番だ!打席に向かう前、ノリに絶対打ってやる!と誓ったことを思い出した。

食い下がれ、どんなことをしてもバットに当てて、出塁するんだ。今までの努力をこのバットに託すんだ。

1死1塁。気合いに満ちたまなざしで投手をにらみつけた。