先日、野村克也監督が書いた「エースの品格」を読んだ。
以前に同著の「あぁ、阪神タイガース」を読んでいたので、若干内容が重複していたが、なかなかおもしろいことが書いてあった。
東京遠征まであと1ヶ月ちょっと、とにかく何でも参考になることは自分のものにしたかった。
今まで理論的に野球を教えてもらったことがない私にとっては、野村監督の話は納得するところが多い。
阪神タイガースの監督をしていた時は、「陰気くさいおっさんだ。」と思っていたが、その後、星野監督の快進撃を見ていて、「これには野村監督の地盤固めがあったからではないか?」と思うようになった。
やはりその通り野村監督も自分の力が大きいと言っていた。
自分で言うのも何だとは思うが、やはり名将と呼ばれる監督には納得させられるところが多くある。
たとえば元阪神タイガースの井川。
井川は入団当初コントロールが非常に悪かったという、しかしダーツは非常に得意でプロ並みの腕前と言うことを聞いて、野村監督は
『相手打者はいっさい目線から消して、ただ、矢野のミットを的だと思って投げ込め。要するに的当て投法だ。』
と伝えたという。
プロでもこんなことがあるんだ。正直そんなことを思った。
また、ヤクルトに以前いた山本樹投手は、異常なくらいの「あがり症」でブルペンではすばらしい球を投げるのに、いざマウンドに立つと緊張のあまり「ストライクが入らないんじゃないか」とか「うたれたらどうしよう」などと考えてしまい、本来の力を発揮できなかったという。
まったく私とよく似ている。私もブルペン王子と呼ばれるほど、打者がいないと良い球が投げられるのだ。
そんな山本投手にはショック療法として、無理に先発投手に任命し、背水の陣で臨ませたという。
その結果、山本選手は開き直り、見事なピッチングを見せたという。
さらに野村監督は
『人を育てると言うことは、つまり自信を育てると言うことである。どのように接し、いかなる言葉をかければよいかは、相手次第。性格は千差万別であり、みな一様に褒めたり叱ったりしていたのでは、育つ可能性は低くなるばかりか、反発をくらって聞く耳すらもたれなくなる。』
と、言っている。そして
『ふとした一言が選手を発奮させもすれば、傷つけもする・・・・・・選手の性格の細部を知り、様子を観察することで的確な指導を個々に与えていかねばならない。』
としめている。
ここを読んだ時、このおっさん、やるなぁ。と、うなずいてしまった。
選手の性格の細部を知り、それに応じたかけ声と対応。
野球をしているところだけを見るのではなく、いろいろなところでいろいろ声をかけ合って、相手を知ろうとする努力。これこそが選手を育て、一つにまとめる秘策なのだと、野村監督に教わった気がした。
私も主将として、後輩達の指導に役立てたいと心を新たにしたのであった。
※『エースの品格』 野村克也 著(小学館) 一部引用