「お前みたいな投球しとったらあかんわ。まだ、独り相撲やっとんか、ワンマンショーしてからに・・・・・。全然あかん。先頭打者に四球与えるなんぞもってのほかや・・・・・・。」
くそったれ、もうピッチャーなんか辞めたるわ。内心マジでそんな衝動に駆られた。
そして、その後さらに付け加えられた。
「今日、よかったんは2者連続で三振に打ち取ったあの2球だけや。あの球、マスターせい。あれが思い通りに投げられたら、お前はそうそう打たれへん。それにしても今日の試合はいただけん。四球もさながら、追い込んでから、何球高めに変化球ほっとんや。そのほとんどを打たれとるやないか・・・・・。もっと、コントロールつけい。」
言い返しようがなかった。
悔しくて、むなしくて、情けない気持ちで一杯だった。
”こんなにがんばってるのに、、、、こんなに努力してるのに。もうちょっと言い方があるだろう・・・・。ひと昔の俺だったら、完全に試合をつぶしてたわい。試合つぶさんと、かつ勝てただけでも良かったとおもわんかい!”
そんなことを心の中でつぶやきながら監督の話を聞いていた。
ただ、監督の目はマジだった。
目が合うと恐ろしいほど私をにらみつけていた。
試合後のミーティングでも私に対して厳しい言葉は容赦なく続いた。
何も反論せず、「がんばります。」と心にもない言葉を発し、その場を取り繕うのに必死だった。
帰りの車で、監督の言葉の一つ一つを思い浮かべた。
腹が立ってしょうがない。でも、監督の言葉の真意を善意に理解しようと考えた。
でも今の状態では、冷静に考えるのは無理である。
監督の一言一言が、胸に突き刺さって、思い出すたびにはらわたが煮えくりかえった。
辞めてやろうか、マジで。別にノリがおるし、東京まで行って嫌な思いするんもなんやし・・・・・。
ノリには悪いけど、ひとりで投げ抜いてもらおう。。。。
そんなことを考えながら、ぼーっと車の外を眺めた。
雨の中、ひとりのランナーがジョギングをしていた。
「あの人は、何のために走っとんのやろ・・・・・。」
考えても答えの見つからない疑問が私の頭をめぐっていた。