その後、宴は続いた。
野球まみれの酒盛りである。
こんなに楽しい宴はないはずなのに、いまいち乗れないし、飲んでも飲んでも酔いがまわらなかった。
そんな中、私の失態の話になった。
耳が痛かったが、しっかり聞いておくべきと思った。
ヒデキ曰く「初球の死球でつぶれると思った。」とのこと。
ニシモ曰く「悔しいでしょう。結構練習されていましたもんねぇ。」とのこと。
そんな中、ゴリは言った。「あんなん遠慮せんと、全員に(死球を)当てたったらいいですやん。」
なんか、すごく新鮮だったし、何よりもの励ましに聞こえた。
こういう気持ちがなかったんだ。と、反省した。
少しでもマウンドで、ゴリの言うような気持ちになれたら、こんな俺でも変わってたかもしれない。
だてに俺と長く付き合ってくれてないなぁ。。。。。そう痛感し、非常にありがたかった。
そんな感じで杯を交わしながら野球談義を進める中、「やっぱり野球はいい。」との感情が少なからずこみ上げてきた。
何がいいのか。そう、この連中と一緒にグラウンドで暴れることなんだと思う。
一人でもがき、試合をつぶした私に、また一緒にやろうと手をさしのべてくれる仲間と一緒にできることが、楽しいのだ。
みんな口をそろえて言う、「もう一度東京でやりましょう!」。
その言葉を耳にすると、「いつまでくよくよしとんねん!」と腹が立ってきた。
投手をするかどうかはともかくとして、主将としてもう一度この東京に来て、リベンジしなければならない。
俺は主将だ!前に立って、みんなを引っ張っていく立場だ!その気持ちが時間を経るごとに強くなっていった。
私は言った「みんな。来年、もう一回東京にこよう。そのためにも今から練習、試合を重ね、がんばろう!」
その気持ちは本当であるし、伝わったと思う。
みんな大きくうなずき、本当にチームが一つになったような気がした。
怪我の功名ではないが、この悔しさを感じたことによって、さらに一つになれたような気がする。
数日前、参議院選挙が行われ、民主党が圧勝した。
選挙翌日、民主党の小沢代表はテレビでこういっていた。
「選挙が終わった瞬間から選挙が始まっている。気を抜かず、さらに強い気持ちをもってがんばらなければならない。」
今日、東京遠征は終わった。
小沢さんの言葉を借りるわけではないが、東京遠征が終わった瞬間から、東京遠征が始まっているんだ。
そう、終わりは単なる終わりではなく、次のはじまりである。