札幌満喫の旅 31 (札幌芸術の森野外美術館①) | Qの乗りつぶしニッポン

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日本国内のJR、私鉄の乗りつぶしを中心にぷらっと旅に出かけています。ここ数年は鉄路のない自治体へ路線バス等を利用して市区町村の塗りつぶしする機会が増えてきております。

真駒内駅からバスに乗って約15分、「札幌芸術の森」に到着。ここにある美術館でも札幌国際芸術祭の展示が行われていたのだが、その前に隣にある野外美術館を見てみたくてやって来た。

 

野外美術館出入口前にはシンボルが立っている。フィンランドの彫刻家、ライモ・ウトゥリアイネンの『昇』。アルミニウムの板を積み重ねて出来ており、曲線と角のラインが印象的で周りの木々や空、石の感じと相俟って何となく北欧感のある作品のように思えた。この方の他の作品は国内では東京教育大学(現:筑波大学)跡地に設置された教育の森公園(東京都文京区)内やキヨセケヤキロードギャラリー(東京都清瀬市)にも展示されている。

 

『野外美術館シンボルレリーフ』(向井良吉)。実際に植物の枝から型取りして造られた彫刻だそうだ。“マネキン業界の功労者”としても知られているこの方の作品は山口県宇部市のときわ公園内のUBEビエンナーレ彫刻の丘などに複数展示されている。宇部市は1965年から現代日本彫刻展(現:UBEビエンナーレ)が2年に1度開催されており、上記の“UBEビエンナーレ彫刻の丘”はその展示会場でもある。

 

赤とんぼがお出迎え。

 

エントランス横の傾斜を利用した水景物に展示されているのはベトナム出身の作家ダム・ダン・ライによる『また、いってきます』。こちらは常設展示ではなく、札幌国際芸術祭2014との連携事業「Sprouting Garden ~萌ゆる森~」での展示となる作品で、チンアナゴのような未知の生物のような形状は多少刺激的で、ある意味芸術祭に相応しい作品だと感じた。

 

形状もそうだが色合いもエキセントリックで子供時代の私が見たら、多分泣いてる(笑)。手前にいる鴨も彫刻かと思ったら、本物だった。

 

水景物を眺めながら上がってきた。ヨットの帆のようなものが見える奥には幼稚園児たちがお昼ごはん中。おしゃれな環境で食べてるなぁ。

 

展示物の赤と白と空の青と斜面の緑がいい配分になった。

 

『雲の牧場』(新宮晋)。ヨットの帆をイメージした形状のものが風を受けて気ままに揺らいでいる。(作者在住の)兵庫県三田市には県に寄贈された氏の作品を集めた「風のミュージアム」がある。

 

『ウィグ』(清水九兵衛)。日本での抽象彫刻の第一人者であり、また清水焼の名跡である“清水六兵衛(七代)”を襲名している。他所でも鋳造して艶消ししたアルミを赤く(朱色)塗った作品が多く見られる。私は“牛の角”のように見え力強さを感じたのだが、

 

『Trace』(川上りえ)。こちらも「Sprouting Garden ~萌ゆる森~」での展示となる作品で、鉄のワイヤーでできている。作者がルーマニアに滞在中に見かけた野良犬をモチーフとしているようだ。ワイヤーなので“肉体”は無いのだが、群れている感じが実体を想像できて面白かった。室内で見ればまた違う作品に見えるのかもしれない。

 

『のとちんことはなのあな』(堀内正和)。

 


何となく朴訥とした表情で“目と大きな口”だと思っていた。

 

覗き込んでみると“なるほどな”と思う仕掛けがあった。

 

大きな穴の奥に“のどちんこ”。

 

“はなのあな”を片目を閉じて覗いてみると面白い。

 

左目を閉じ右目で見るとこんな感じ。

 

右目を閉じて左目で見るとこんな感じ。奥にも顔らしきものが見えてくる。

 

更に別の位置にある穴から覗くと、新たな“のどちんこ”が見えてくる。遊び心満載で子どもでも楽しめそうだ。

 

<つづく>