九州横断バスによる旅の途中。
牧ノ戸峠を越えて少しずつ下っていく。遠くに牧の戸温泉の九重観光ホテルが見えてきた。
飯田(はんだ)高原の中心にある長者原(ちょうじゃばる)。この辺りはタデ原(たでわら)と呼ばれる湿原で、長者原の南西にある三俣山と久住山と大船山に囲まれた“坊ガツル”とともに『くじゅう坊ガツル・タデ原湿原』としてラムサール条約の登録湿地に選定されている。
長者原辺りから霧が覆い始める。
釧路と根室の間を走っているかのような深い霧と真っ直ぐな道路。
PM16:53、12分遅れで小田の池バス停に到着。ここで運転手さんから話しかけられた。
運転手さん:「先を急いでますか? バスが遅れているのですぐに出発しようと思っているのですが。」
私:「いや、このバスに乗りたかっただけなので特に急いでないです。ただ、他の乗客の方が・・・」
運転手さん:「今、お客さんだけです」
そういえば、くじゅう登山口(長者原)バス停でデカいリュック背負ったおっちゃんが降りて行ったなと思っていたが、その時点で乗客は私だけになっていたんだな。因みに、元々このバス停で10分間の休憩があるのだが、私に気を使って先を急ごうとしていらっしゃるみたいだ。
結局、このバス停では急に強い雨が降ってきたこともあって、下車休憩せず5分後に出発してもらった。
予約制ではあるものの、空席があれば乗車可能なので運賃表も細かく設定されている。
雨はかなり激しさを増してきた。
九州の分水嶺の1つ、水分(みずわけ)峠。写真正面側が筑後川水系、手前が大分川水系となる。
そして雨はより酷くなり、道路が川のようになり始めている。この後大丈夫かな・・・。
バスは由布市の中心、由布院温泉の市街地に入る。さっきまでの雨は一気に上がっていた。
私は別府まで予約をしていたのだが、ここで降りることにしてみた。
わかりづらいが、JR久大本線の由布院駅に併設された足湯に多くの観光客が集っていた。
PM17:15、3分遅れで由布院駅前バスセンターに到着。親切にしてもらった運転手さんに「ここで降りて観光します」と告げ、バスを降りた。
<つづく>