~品川駅でふと思ったこと~ | Qの乗りつぶしニッポン

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日本国内のJR、私鉄の乗りつぶしを中心にぷらっと旅に出かけています。ここ数年は鉄路のない自治体へ路線バス等を利用して市区町村の塗りつぶしする機会が増えてきております。

いつもの旅雑記ではなく、ちょっと思ったことを書いております。

 

 

TVなどで街頭が映し出されるシーンは当然のように多くあり、人出の様子として駅改札口近くの通路や道路、横断歩道などがよく紹介されていると思う。例えば、台風が近づいてきている場合などはJR新宿駅南口の南改札前通路や甲州街道側の歩道での映像が多いと思う。これは通勤・通学客、買い物客、観光客などありとあらゆる方々が利用されており、更にJR(山手線、中央・総武線、中央線、中央本線、埼京線など16番ホームまである)、小田急線、京王線、京王新線、東京メトロ丸の内線、都営新宿線、都営大江戸線、少し離れて西武線など多数の路線があり、これを考えれば駅の乗降客数が1日平均約350万人と世界一を誇る駅だということもわかる。因みに350万人は横浜市(約370万人)、静岡県(約370万人)、エリトリア(約345万人)、ウルグアイ(約345万人)の人口に匹敵する。

 

ところが、コロナ禍の緊急事態宣言が発令された辺りからはビジネスマンが通勤する様子などで品川駅がよくTVで映し出されている。特に、品川駅港南口の様子が度々見られる。昔は東京駅丸の内北口が主流だったし、今もたまに見られる。それが何故品川駅にシフトチェンジしているのか? 私の見立てではこんな感じだからなのではないだろうかとちょっと書いてみる。

 

 

品川駅はJR(山手線、京浜東北線、東海道線、横須賀線・・・ここまでJR東日本、東海道新幹線・・・JR東海)と京急の駅があり、1日平均の乗降客数は約100万人と都内でも有数の乗換駅でもある。特に2003年に東海道新幹線の品川駅新設による影響や、2010年の横須賀線武蔵小杉駅新設や2015年の上野東京ライン完成に伴う常磐線の列車の始終点にもなるなど、品川駅を結ぶ路線の影響もある。更には、2029年完成予定のリニア新幹線の起点となることもあり、ますます利用客が増える可能性が高い駅でもある。京急は2027年に品川駅改装(地上化から地平化へ)を予定しており、利便性は上がるもののそれほど客数に大きな変化はないと思う。

 

こちらが品川駅の地図。左(西)に高輪口、右(東)に港南口。TVで通勤の様子が映し出されるのは港南口。高輪口は主にプリンスホテルなどの宿泊施設や昔からの高級住宅街があり、港南口は貨物駅の廃止や新幹線車両基地の移転に伴い1990年代から再開発が進み、現在では多数の高層ビルが立ち並ぶエリアとなっている。

 

品川駅の構内図。上記の地図とは南北が反対になる。左(東)が港南口、右(西)が高輪口。さて、この構内図を見てわかる方はいらっしゃるとは思うが、路線数の割には改札自体が非常に少ない駅となっている。JR東日本は2つ(中央改札、北改札)、JR東海は“新幹線のりば”として2つ(北口、南口)、京急は1つ、その他各社の乗り換え口がある。更に、改札から出た後の出口は港南口と高輪口しかない。これに対して、新宿駅ではJRだけで11の改札口、東京駅(1日平均約150万人)ではJRだけで13もあり、両駅とも出口は多方面に分散している。

 

つまり、新宿駅や東京駅などと比べると品川駅は改札口と出口が非常に少なく、人の流れもかなり集約されている状況となり、必然と密集している様子が簡単に見えてしまい、言い方は悪いかもしれないがTV側としては見栄えのいい映像を撮ることに便利な駅とも言える。

 

実際、日中の港南口の様子はこんな感じ。密集しているようには見えにくいが、駅ビルの内側(写真中央奥)は通路が長く続いていることもあり、通勤客で少し混んでいるような様子がちょっとわかるだろうか。

 

結論として、

『品川駅港南口の映像露出が増えたのは、利用客の多い首都圏の駅の中でもビジネスマンなど通勤客が圧倒的に多く、更に山手線、京浜東北線など利用客の多い路線の割には品川駅自体に改札口と出口が少ないため、人が密集している様子をより作り出しやすい環境となっていること』

ではないかと考えられる。

 

 

因みに私は個人的な趣味と仕事上の実益(になっていないかもしれないが)も兼ねて、駅利用客数を各鉄道会社(JRグループ各社、地方も含めた私鉄など)のHPよりわかる限りでだが収集している。東京だと、東京メトロ副都心線が開業したことで池袋駅や渋谷駅の乗降客数が減ったり、上記の横須賀線武蔵小杉駅新設による武蔵小杉駅の乗降客数が増えたり、路線の延伸や他社乗り入れ路線状況の変化、駅新設、駅周辺施設の変化などで大きく左右することも数字上で見ることもできるので、私としては眺めているだけで結構楽しい。

注意点としては、JR東日本は駅の“乗員人員(改札から入った人の数)”、東京メトロなどは駅の“乗降客数(改札を出入りした数)”を公表しているため、各社ごとに情報をある程度精査する必要があることだ。また、テレワークが推進されている現状ではこれまでのデータとは全く違う数字になると推測できる。

 

兎にも角にも、昔のように気軽に旅行できる時が早くやってきてほしいものだ。