大畑駅を出発し、約20分強で次の矢岳駅に到着。
矢岳駅の給水塔跡。昔は手前の空いたスペースを含め複数の線路があったようだが、現在は単式ホーム1面1線しかない。
古めかしい駅名標。
他の乗客も駅を探索するために下車。
駅舎の中にはこれと言ったものはない。
矢岳駅駅舎。無人駅だが、林業などの貨物輸送で栄えた時期には駅員や駅長もいたようで、その旧駅長宿舎などをリノベーションしたホテルが2019年7月から営業しているようだ。ただ、2021年1月現在は肥薩線のこの区間が運休となっているため、ホテルの営業はされていないのかもしれない。
木造建築のいい味が出ている。
駅舎を通らずともホームへの行き来は出来る。右側に伸びている通路は矢岳駅に併設されている人吉市SL展示館へ向かう。
その展示館にはD51-170蒸気機関車が静態保存されている。この右側に展示されていた58654機がSL人吉号として動態保存となって稼働している。
日本の蒸気機関車の代名詞とも言える存在で、現在も含めて日本では最大車両数1115両となる機関車。“デゴイチ”の愛称でも知られる。国外を含むと製造総数は1184両ともなる。
1938年度製。
運転台に入ることが出来る。これは運転台後方の炭水車の炭庫から石炭を取り出す部分。
機関士席。色んな計器で何だかごちゃごちゃしている。
機関士席に座った感じの視点。窓が小さくて視野が広くないのでちょっと不便そう。
機関助士側。こちらは色んなバルブがあって、覚えるのが大変そう。
大き目の部類に入る蒸気機関車で通称“矢岳越え”と言われる急勾配を走るために流用されていたようだ。
D51機の静態保存は国内で180両ほどあり、動態保存もJR東日本、西日本で1両ずつある。更に、戦時中に台湾やサハリンでも使用されていたため、今も現地には静態保存機や各1両ずつ動態保存機もある。
矢岳駅の標高は536.9m。これは肥薩線の中で1番高い。因みに、1つ手前の大畑駅は294mのため、1駅で約240mも高い場所に移動していることになる。
約10分ほどの停車で次の真幸駅へと出発。
余談だが、幼い頃にこの“やたけ”が言えなくて、ずっと“やけた”って言っていた。他にも清水(しみず)を“しずみ”と言っていた。
<つづく>