ヨーロッパ4か国周遊の旅(53)  <3日目:CNLに乗ってコペンハーゲンへ①> | Qの乗りつぶしニッポン

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日本国内のJR、私鉄の乗りつぶしを中心にぷらっと旅に出かけています。ここ数年は鉄路のない自治体へ路線バス等を利用して市区町村の塗りつぶしする機会が増えてきております。

さて、夜のケルン中央駅へ来た理由は・・・

 

この旅の大きな目的でもあるシティナイトライン(City Night Line、略称:CNL)に乗るため。CNLは国際寝台列車の総称で、当時はフランス、オランダ、スイス、イタリア、デンマーク、スウェーデン、チェコ、ポーランド、ロシア(ポーランドとロシアはEN:ユーロナイト)とドイツを結んでいた。私が乗車したのはアムステルダム発コペンハーゲン行きの【CNL40447】、通称"BOREALIS"(ボレアリス=北の方)号。このCNLの特徴として面白いのは複数の列車が併結・分割して運行すること(多層建て列車)。例えば、【CNL40447(BOREALIS)】は始発のアムステルダムからワルシャワ行きの【EN447(JAN KIEPURA)】とプラハ行きの【CNL457(KOPERNIKUS)】を併結して運行しビーレフェルトで分割、その後ハンブルクでバーセル発の【CNL472(AUROLA)】とプラハ発の【CNL40456(ORION)】を併結しコペンハーゲンまで運行する。

尚、2020年現在、CNLは既に廃止となっており、オーストリア国鉄が「ÖBB Nightjet(エーべーべー ナイトジェット、略称:NJ)」という総称でCNLを受け継ぐ形で別の寝台列車を東欧を中心に運行している。

 

約20分遅れでCNLがケルン中央駅に到着。乗車する際に写真を撮ろうとしたら、降りてきた車掌に「列車が遅れてるんだ。早くしろ!」と怒られた(そりゃそうだ)。そして、“念のためきっぷを見せろ”となったので見せたら、「明日のコペンハーゲンの到着は1時間以上遅れるから。」と結構きつめな口調で言われる。

 

乗車チケット。201号車の42番ベッド、相席を避けたかったので、シャワールーム付きの3人部屋を1人で利用。料金は1部屋占有となるので高くなる。

 

201号車の車内。車両の片側に通路があり、右側が外、左側が個室となっている。

 

私が予約した42番ベッドがある8号室。

 

既に寝台の用意はされていた。何となく懐かしい、ブルートレインのB寝台個室を思い出す。ベッドの上に置いてあるのは[Adelholzener(アデルホルツェナー)]という商品名の水。多分、サービス。

 

個室内から通路を見る。非常にコンパクトな個室になっている。

 

ベッド幅は80cmぐらい。私には狭かった。

 

ベッドもブルートレインとは違い、やや硬め。布団も薄め。枕はふっくらしていた。180cm近い私の身長でもしっかり寝られる長さはある。

 

今回使用しない2段目、3段目のベッドが収納されている。

 

通路側の上方、予備の枕があった。

 

左側上方には荷物置き場。あまり重いものは置けないかも。転落防止用にベルトが付いている。

 

枕元のスイッチ類。上から読書灯、夜間灯、目覚まし(モーニングコール)を止める。

 

個室内通路側の左壁。

 

下にゴミ箱。「あまりごみを捨てるな。」と車掌に言われる。

 

乗車したときに「部屋のドアは検札するまで閉めるな。」と言うので、待ってたらやってきた。まずは検札。そして、

車掌:「ウエルカムドリンクはビール、スパークリングワイン、どっちを飲む?」

私:「(そんなのあるの? すごいね)じゃあ、スパークリングワイン」

車掌:「朝食は何時がいいか? 『8時』って言う人が多いから準備が大変なんだけど、9時でいい?」

私:「(別に遅くてもいいや)9時でいい」

車掌:「だな」

そのあと、車掌は車両のどの辺りにいるとか、個室内のスイッチのあれこれ教えてくれたが、

車掌:「ここにあるのは何かあったときに車掌を呼ぶことのできるスイッチだが、絶対に押すなよ。」

と念を押して言われた。フリじゃないことは確かだが、押しちゃいけないスイッチってあるのかよ・・・。

 

通路への扉(右側)は外側への片開きなので、開ける際は通路を歩いている人に当たらないか確認する必要がある。で、左寄りの扉はこの個室専用のバスルーム。

 

バスルームのドアノブと電気のスイッチ。鍵は使わない。

 

扉の内側にはタオル(大、小)。一応3人部屋なので3人分。トイレもあり、赤いボタンは水洗用。

 

トイレの横はシャワーブース。シャワーヘッドはスライドバーで高さを調整できる。真ん中の丸いボウルは手洗い洗顔用。このボウルもトイレやシャワーを使う際に位置を移動できる。

 

シャンプー&ボディーソープは一体型。

 

シャワーの下の栓をひねってお湯を出す。赤いランプは使用不可、使用する際は栓をひねって青いランプになるのを待つ。

 

アメニティはタオルと石鹸とうがい薬。コンパクトだが、設備は整っている。

 

トイレットペーパーホルダーとシャワー室の温度調整。

 

個室のカードキー。車掌が検札の際に渡してくれる。個室自体はオートロック。部屋に入る際にこのカードキーでドアを開ける。

 

個室のドアはダブルロック。防犯上ありがたい。

 

ベッドサイドには収納網と折り畳み式のドリンクホルダー。ドリンクホルダーの底板がへたっていて、飲み物を置いても斜めに滑り落ちてしまい使い物にならなかった。

 

 

この個室はコネクティングルームになっており、隣の部屋と奥の扉で繋がっている。車掌に「鍵掛かってないから気を付けろ。」と言われたので、この後鍵を掛けた。

 

車内放送のスピーカーと非常時に窓を割るためのハンマー。ここにもあったか。

 

車掌が後から持ってきてくれたスパークリングワイン。メンガー・クリュッグ[MENGER-KRUG]のロゼ。見た感じよりも甘くなく、ドライな感じ。

 

ケルン中央駅構内にあったパン屋チェーン「Kamps(カンプス)」で購入。『シュトロイゼルターラー[Streuseltaler]』というメチャクチャ甘いパン。尋常じゃなく甘かった。たっぷりのバターと練乳みたいな甘さ(カスタードクリーム? ホワイトチョコレート?)があり、しかもボロボロとこぼれて食べにくい。勢いで買ってはいけないと思った。でも、美味しかった。日本にもどこかにあるかな。

 

ミュラーの「さくらんぼバナナミルク(とでも言うべきか)」。多分、子どもの飲み物なんじゃないか。でも、これも美味しかった。日本で・・・売ってないか。

 

ゲロルシュタイナーのオレンジ味の炭酸水。これは爽やかで美味しかった。日本でも売ってほしい。

 

<初>海外での寝台列車乗車

 

<つづく>