カモメおじさん。
ニュージーランド、ワイヒ。
とある1日。
僕はジョンのクルマで家から5kmほど
離れた”ワイヒビーチ”までドライブに行った。
ビーチに辿り着き、少し散歩をしようと海に近づくと
何やら波打ち際の方で普通でない数のカモメたちが
群がっている。
その中心にいるのは1人の男性。
僕は思った。
”カモメおじさんだ”
僕の好奇心もまたそこに群がるカモメのように
そのおじさんに引き寄せられ、
そうして近づいて見てみると、
カモメおじさんの片手には大きな
バケツが握られている。
『あのぉ、何してるんですかぁ?』
『やぁ!いや、魚のいらない部分をカモメにあげてるんだよ』
バケツの中を覗くと、もともと3,40cmはゆうにあっただろう
大きな魚の頭や切り身の切れ端などが
入っていた。
『これ、ひょっとして釣ったやつですかぁ?』
『うん、そうだよ。今朝釣ってきたやつ』
『へぇ、すごいですねぇ!ボートですか?』
『そう、ボートだよ』
『えっ?ひょっとしてご自分のボートとかお持ちなんですか?』
『うん、持ってるよ』
『へぇ、いいなぁ!僕も釣りが大好きなんですよー。でもまだここでは釣りに行けてなくて・・・』
『そっかぁ・・・』
僕の、
”そうなんだぁ、釣りが好きなら、ボートで一緒に行く?”
という返答を狙った、渾身の投げかけは
マラドーナの華麗なドリブルのごとく
さらりとあっさりかわされた。
カモメおじさんは何事もなかったかのように
魚を与え続けている。
それにしても、おじさんの横に立ってみると
手の届きそうなところにわんさとカモメたちが
飛んでいて、なかなかダイナミックな光景だ。
おじさんが魚の切れ端を空に向かって投げると
彼らは上手にそれをキャッチする。
おじさんが魚の切れ端をつまんで手を大きく上に
掲げると、海から吹いてくる風を上手にコントロール
しながら、少しずつ手に近づき、そうして魚をくちばしで持ち去る。
『僕もやってみていいですかぁ?』
『いいよ。やってごらん』
僕もおじさんにならって、魚を手でつまみ上げてみる。
カモメはすぐに反応し、そのうちの1匹が狙いを
定めて近づいてくるが、
カモメにとってもそうそう簡単な技でもない。
1つに、まずそれだけ人間に近づくという行為自体が
彼らにとっては危険であること。
もう1つに、この海から吹いてくる風。
この不規則な気流の流れを味方につけながら
1点に達するというのは、かなりの難儀でもある。
そうして、しばらく手を上げた状態で様子を見ていると
1匹のカモメが満を持して、急接近をしかける。
”カプッ”
指を喰われた。
僕の『イテッ!』というコトバとともに
魚の身は”もさっ”と砂浜に落ちた。
”ちっ、へたくそがっ!!”
僕はその切れ端を拾い上げ、そうして怒りを込めて
カモメに投げつけた。
彼はそれをうれしそうにキャッチした。
カモメおじさんは、もう十分だろうと見切りをつけ
残りの頭や骨を海へ流すため、バケツを持って
沖のほうへとジャバジャバ進んでいく・・・。
それを必死の表情で追いかける無数のカモメたち。
カモメおじさん、さようなら・・・。
クルマに戻り、車内でタバコを吸いながら待っていたジョンに
『いやぁ、カモメがたくさんですごかったよ!!』
と興奮気味に話をしたら、ジョンは
『何をそんなに興奮してるんだ。ただの鳥じゃないか、ハハ』
と笑って言った。
カモメおじさんにしろ、カモメにしろ、ジョンにしろ、
なんだか釣れない1日だ。
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