横溝正史の処女作は本陣殺人事件である。これは彼が尊敬するディクソン・カーの小説の書き方を真似たものだ。この時の金田一耕助のこんにちの原形が中尾彬だと言われるがそれは違う。
金田一耕助の原型は石坂浩二である。中尾彬の瞳には狂気が宿っているし、話し言葉には恫喝じみた響きがある。
やがて、団塊世代と呼ばれる人だちが生まれる頃、横溝正史の黄金時代が来た。それは彼の絶頂期でもある。
八つ墓村、犬神家の一族、獄門島、
ヒット作品を連発した。まだヌード写真集を出していた若い坂口良子や水沢アキのピチピチチャプチャプランランランの新鮮な生肉は大好物なのだ。
その坂口良子と石坂浩二が、もうこの頃から金田一は石坂と決まていた。
八つ墓村の粗末な宿屋で坂口良子から金田一は食事券は持産したかと。戦後すぐは政府が米を支配して闇ごめを厳しく取りしまった。
僕ほ減反政策を批判しない。だが減反政策がすべてになるから、この国は変になる。