救急車に乗せられる時に意識は完全に戻っていた。救急隊員の声がした。ケッアツが低すぎる。重病者だ。
病院に付くと直ぐに救急治療室へ入れられた。心臓が悪いのは分かてるから麻酔は使えず首の裏を切られ鉗子を心臓まで入れられた。縫う時らもガリガリ音がして強烈な痛さだった。
失神するような痛みだが失神しなかった。それは恐怖と激しい憎悪のためだろう。
救急治療室は野戦病院だった。若い女の看護師が悲痛な声を挙げていた。
【オジサン息をして。お願いお願いお願い】
僕も死に掛けているのだから人の事は分からん。だが身近に死は顔を覗かせていた。
だが僕は二日で救急治療室を出て一般病室へ移された。
人は百歳過ぎても死と無関係だと思つてる。自分は死なないものだと
だが人間の人生は過酷であれ優雅であれ最後は物語の幕を下ろさねばならないのた。
○西部戦線異常なしはレ・マルクの古典的反戦小説から借りました。