いちご白書 | 錦鯉春助の冒険

錦鯉春助の冒険

日常の恐ろしき風景

 いちご白書をもう一度、と云うフォークソングを知らない人達に大元の映画・いちご白書を知るわけもない。


 この映画は1968年のコロンビア大学の学園闘争を下書きにしている


 日本公開は1970年。この映画とカンヌ国際映画祭で賞を争ったのがロバート・アルトマン監督の「マッシュ」だ。


 賞はいちご白書が受賞したが、烈火の如く怒ったのは作家のノーマン・メイラーだった。


 僕もメイラーに賛成する。映画としてはマッシュが明らかに上だ。マッシュは戦争映画史上最高傑作の一つだ


 この朝鮮戦争を舞台にした映画に戦闘場面はまったくない。殆ど喜劇とエロだ。それでいて戦争を眺めるブラックな狂気がある。怖い映画だ


 いちご白書の冒頭はバフィ・セント・メリ−の「サークルゲーム」


 ラストはジョン・レノンの「平和を我らに」


 しかし作中に流れる歌が素晴らしい。CSNY(リーダーはニール・ヤング)の名アルバム有名な「デジャヴ」から


「ティーチ・ユア・チルドレン」や「ヘルプレス」「アワ・ハウス」が流れる。キム・ダービーのミニ・スカート姿は可愛過ぎる。


 ここに登場するコロンビア大の学生に思想はない。組織論もない。マルクスもレーニンもトロッキーも毛沢東も出て来ない。


 彼等は1青年として社会に反抗せずに要られなかった。映画はそれらが上手く描かれている。