昨日の若島先生の研修 について、もう少し丁寧に残しておこうと思います。

私自身は、今年のセミナーやワークショップは現時点ですでに30回くらい
参加する予定となっています。


それは何のため?というと、今後自分がずっと追いかけるテーマである
「人の可能性を最大限に発揮するノウハウを蓄積するため」の学習である
と考えています。


その前提で、昨日は「人の行動をさまたげている障害を取り除くには?」
という問いを投げかけながら参加しました。



若島先生はまず最初に、臨床の心構えについてお話してくれました。


技法は自分を助けるための技
臨床は倒れている人に声をかけること



それから理論の説明です。
ベイトソンの世界観は、クレアトゥーラ(情報の世界)とプレローマ(衝撃の世界)
で成り立っていて、情報の世界とは、差異と比較の総体的な世界であること。


例えば、飛び降りようとしている生徒がいたら、「やめろ!」と押さえ込むのは
プレローマで、自分が飛び降りちゃうのがクレアトゥーラ。

そうやって違う情報を与えることで、対象の行動の変化を生むことができる。



また情報にはいろいろ種類がありますが、大きくはアフォーダンス的情報と
意味の情報です。


アフォーダンスは生まれながらにして持っている認知のメカニズム。
それは犬も持っているのだそうです。
(アフォーダンスは興味深いので、エントリーをあらためてまた今度)


意味の情報は内容(言葉)+文脈から成り立ちます。
臨床の現場で変化を起こすとき、介入するときは、
中身を変えようとするのではなく、文脈(情報のあり方)を変えます。



という基本姿勢を確認して、パラドックスについての解説が続きます。
パラドックスの代表は一休さんです(この橋渡るべからず)。


基本的にダブルバインドとは、持続する関係の中でしか起こりません。
親と子、夫婦、先生と生徒、上司と部下などが顕著な例でしょうか。


またブリーフセラピーでは基本的に原因追求をしません。
現状のダブルバインドが発生しているのとは違う解決のシステムを
回していく必要があるからです。


そこでパラドキシカルな介入が必要になります。


この後は実際の事例をもとにグループでディスカッションをし、
最後先生が実際にその事例の方のライブセッションを行いました。


内容は差し控えますが、セッションがやっぱり一番学びになります。
視線、表情、相槌のしかた、投げかける質問、行動の促し方。
できる限りメモをしようと、ダーッとノートに書きました。


ここでのポイントは、相手の問題発生のシステムの外に行くためには
文脈(時や場所)を変えてあげることが大切
だということです。


例えば、宿題を全くしない子供といつもガミガミ怒っているお母さん。
そういうお母さんには、「お子さんを怒りたくなったら、お子さんの
どうしようもないと思うところを10個書き出してください」という
観察課題を出すのだそうです。


そうすると、今までは怒っちゃいけないけど怒ってしまうという
ダブルバインドの状態=文脈だったのが、さらに怒るためのポイント
を探すという文脈がもたらされることで、変化が起こります。


10個書いているうちに、「うちの子はそんなに悪いところ
ばかりじゃないなあ」と気づいてくるのだそうです。


これがパラドキシカルな介入です。

これは「目から鱗」で応用性が高そうです。


注意する点として、介入でパラドックスを起こすときは「Go Slow」
と伝えてくださいとのことでした。


これも「ゆっくり変化すればいいよ」というのが一種のパラドックスに
なっています。



あと最後に、集団を変えるのは難しいというお話をされていました。

ただ、大切なポイントとしては、個人の変化は早く、集団の変化は遅いので
個は「一貫性」が必須だということ。


あれもこれも、ではなく変化を特定する「弁別性」が必要だということ
でした。

ここまで書いて、わかっていない部分がいろいろあることがよくわかりました。

若島先生の本で基礎から学びたいと思います。



ちょっと話は変わりますが、昨年、ヒューマン・グロウス・センターの
吉本先生に、「目的論的見立て」というのを習いました。


その考え方では、「障害、問題」というのはなんらかの価値を与えて
くれるもの=リソースとも考えられるそうです。


それ(障害、問題)によって何が守られているのか?
そんな見方も、ダブルバインドへの介入にはよいのかな?
と思いました。


ブリーフセラピー関連の過去の記事へリンクしておきます。

・奇跡のプレゼント
http://plaza.rakuten.co.jp/morry107/diary/200807260000/

・目的論的見立て
http://plaza.rakuten.co.jp/morry107/diary/200806090000/

・いろいろメモ
http://plaza.rakuten.co.jp/morry107/diary/200808210000/



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・『リストのチカラ 仕事と人生のレベルを劇的に上げる技』 堀内 浩二
・『コミュニケーションの臨床心理学―臨床心理言語学への招待』 若島 孔文


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