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quo world

 いろいろ。。

ショートスティご利用当日

苑についたルパンさんは緊張気味に 挨拶をする職員に会釈を返す

車椅子を押す私にだけ聞こえるか細い声で
 
だ~れも知らんけん 心細いのぅ。。

 

少し落ち着いたら 私が苑内をご案内しますし
なにか困った事や わからない事は 遠慮なく聞いて下さいね

 

フジコちゃんに突き放されたルパンさんの心境を考えると せめて此処が居心地の良い場所になってほしいと思い 出来るだけの事はしようと思った

 

たばこの問題も 本来苑は禁煙
健康上も良くないのは承知の上 
でも 唯一の楽しみだと言うルパンさんを尊重して 屋外で吸えるように許可をとった
ただし タバコとライターはこちらでお預かりして 吸いたい時には声をかけてもらい 職員が対応するようにしてた

 

が…さっそく ルパンさん やっちゃってくれた。。

 

昼食を済ませた後 居室に戻ったルパンさんの行動が怪しい
 
窓際でキョロキョロ
かと おもうと
突然 何も言わずに外へ出て行き 居室の反対側の窓の下で何かを拾う仕草
なにげに観察をしていた職員が声を掛けた

 

どうされましたか?

いや どうもしてない

何か落とされましたか?

…あんたにだけに内緒でおしえちゃる
誰にも言うたらいけん
実はこれ

 

と ポケットから吸いかけのタバコとライターを出し ニヤッ(¬ー¬)

 

若く綺麗な女性職員に優しく声を掛けれらて まんざら悪い気がしなかったのか すんなり白状してくれた

どうやら 全てお預かりしたタバコとライターのはずが 他にも隠し持っていて こっそり食後の一服中に 何かの拍子にライターを窓の外に落としたらしい

 

居室には酸素ボンベもあるので危険
誰にも言うなと言われてもほっとくわけにはいかず。。
 
困った職員は私のところに相談に来た

 

最初が肝心 ダメな事はダメだとちゃんと伝えなければ…

フジコちゃんの勢いに押され

なんとか一週間のショートスティ利用を取り付け お迎えに行った朝

ルパンさんはなぜか黒の礼服を着ていた

(そんなにかしこまらなくても 普段着でかまわないのに。。)

 

しかし…なかなか腰を上げようとしない…
 
今日は行くのをやめていっちょこかな。。

 

間を入れず フジコちゃんの喝が飛ぶ!

 

また わがままゆーて!
一度決めた事は 守らんね!!
がたがた言わんで さっさと行きんしゃい!!!

 

ここ数日ですっかり形勢は逆転した模様
有無を言わさず 追い出されてしまった。。

 

ルパンさんが乗せられた車がゆっくりと動きだす

 
その後ろ姿に

 

もう二度と帰ってくるな~~!!(^ O ^)/~~ 

 

そうつぶやきながら 満面の笑顔で手を降るフジコちゃんの姿があった

「良かったら 一度 施設に遊びにきてみませんか? うちは病院じゃないし 来たい時に来て 帰りたいときにはいつでも帰れますから…」

 

「ワシは家にいるのが一番いいんじゃ 動くときついし 家におって テレビ観て 好きな時に寝る それで充分じゃ!」 

 

「フジコさんもだいぶ疲れてらっしゃいますし 少し休憩させてあげましょ
このままでは フジコさんが倒れてしまいますよ」

 

「夫婦は一緒にいてこそ 夫婦なんや
嫁が夫の面倒見らんで 誰が面倒みるんや!」

 

「でも フジコさんが病気になってしまったら そんなことは言ってられなくなりますよ ご夫婦仲良く暮して行くためにも 時々はフジコさんを休憩させてあげなくっちゃ その為の介護保険ですし…」

 

「そんなとこに行ったら タバコはすえんし テレビも好きなのは観れんし
あれこれ決まりがあって窮屈なだけや!」

 

そう…ルパンさんは在宅酸素療法中なのに タバコを吸っている
おまけに気の向いた時にだけしか 酸素を装着しない

 

「自分の身体の事は 自分が一番わかっている!」
が 口癖であった。。

 

その時…
業を煮やしたフジコちゃんの 堪忍袋の緒が切れたっ!(@ ̄□ ̄@;)!!

 

「何をわがままばかりゆーとんのね!
これだけ親切に言うてくれてるのに!!
いつだって 自分勝手な事ばかりゆーて!!!
今まで我慢に我慢を重ねてきたけど も~~しらん!!!!
金輪際 あんたの面倒はみらんけんね!!!!!」

 
その形相 夜叉の如し…

 

ルパンさん。。

かわいそうなくらいに しゅん… と なっちゃった。。

一筋縄ではいかないのが このルパンさん
訪問する度に まるで私を押し売り扱い
 
「なんでまた ワシに目をつけたんだ もっと別にお金を持った人がたくさんおるやろ

他に行け!他に!!」


「そもそも介護保険とは何ぞや?」

なかなか介護保険を理解してくれない
…どころか 生命保険の勧誘と勘違いされてる「(ーヘー;)
おまけに 奥さんが介護放棄しているなんて言えないから なかなか用件も切り出す事が出来ない
フジコちゃんからは 早く連れて行って と急かされるし。。( ̄~ ̄;) ウーン



それでも 家にこもりがちのルパンさん
ルパンさんからみれば 私も若いおね~ちゃんw
単調な生活の刺激になったのかならなかったのか 辛抱強く訪問を重ねて行くうちに 少しずつ打ち解けてくれた



ルパンさんの一番の困り事は フジコちゃんのお耳が遠いこと
何をするのにも フジコ~フジコ~ って呼ぶのだけれど
お耳の遠いフジコちゃんには なかなか届かない
肺疾患で在宅酸素をしているルパンさんは 大声を出すと息が切れる
ハァハァ言いながら フジコちゃんを呼ぶ
呼んでからも 要望を伝えるのに 一苦労
 
お互いにストレス充満中
二人の間に少し距離をおくのは必須と思えた

私の担当する利用者ルパンさん
なぜ ルパンさんかって?
それは 彼の最愛の奥様の名前がフジコちゃんだから…

 

ルパンさんとの出会いは フジコちゃんのSOSで始まった

「もう面倒みれません!どこでもいいから預かってくれる所を探して下さい!!」

 

要介護者を抱える家族の負担軽減も 確かにケアマネのお仕事だけど
そんなこと急に 一方的に言われてもぉ…

 

このルパンさん 家族も手を焼く頑固おやぢ
どのくらい頑固なのかは 想像にお任せするが
フジコちゃんに言わせれば これまでの生活は常に ルパンさんの機嫌を損ねないように 顔色を見ながら生活してきたらしい

 

子どもは息子が二人
二人共遠方で勤めていて 未だ独身
よって 老夫婦二人暮し

 

ルパンさんは 重度の肺疾患で在宅酸素をしている
身体を動かすと呼吸苦が出現する
トイレまで行くのも一苦労だが 一応生活動作は自立

しかし 何をするにも

「フジコ~フジコ~」
昼夜を問わず フジコちゃんを呼ぶ
おかげでフジコちゃんは 気の休まる時が無く 夜もおちおち寝ていられない
そんなフジコちゃんに限界がきていた

 

しかし チョー頑固なルパンさんを そうやすやすと説得できるとは思えない。。

  
さて…
まずは 関係作りから
顔を覚えてもらって けっしてあやしい者ではないということを理解してもらわなければ…

数日して 男が私を訪ねてきた
肩の荷を降ろした男は せいせいとした顔で通夜参列のお礼を言い 
彼女との生活を武勇伝の如く私に話した

  

20才以上年の離れた男と女
男にとっては 母親みたいなものだったらしいが 彼女にとっては一世一代の恋人であった

 

彼女が動けなくなってから 男は近くの部屋にベッドを移し寝泊りをしていた
ある日 動けないはずの彼女が夜中に 押し車にすがりながらよろよろと男の元へ行き
「今夜は一緒に寝て欲しい」と せがんだそうだ

 

「真夜中に寝たきりのはずのオムツをはめたばーさんが 枕もとに立って 一緒に寝てくれというんだ

オレはびっくりしたけど ふとんに入れて腕枕をして身体をさすってやったよ さすがにそれ以上の事はする気にはなれないがね それでも 彼女は嬉しいと喜んだ

こんなに人を好きになった事は 後にも先にもあなただけ…だと 常日頃から言っていたし オレは彼女の期待に答えてやったんだ 最後まで看るって言う約束も果たしたし…

まぁ こんなに長生きするとはおもわなかったけどね」

それから
「形見じゃないけど あんたには世話になったし オレがもってても仕方ないからもらってくれないか?」

と 生前彼女がはめていた指輪を私に差し出した
「どういう形であれ それは あなたがもってたほうが 彼女は喜ぶとおもいますよ」
やんわり辞退したが その指輪に宿っていそうな 彼女の想いが空恐ろしく とても手にする気はおきなかった。。

 

薄々と男が彼女のお金を使い込んでいたのははわかっていたはずだし 死後保険金を男が当てにしていたことも…
お金と引き換えに得た愛情で 本当に彼女は幸せだったのだろうか?

 

その後男は姿を消した
と思っていたが 実は 彼女が亡くなって接点が失われただけで 思いのほか近くに住んでいた
古い家だが一軒家を購入して町内に住んでいるらしい

 

電話をかけてきた男が言った
「ヘルパーさんを頼みたいって女性がいるんだけど 派遣してくれる?」

いつまでも 新春のご挨拶のままでは…と 思いながら 五月も残すところあと一週間

まったくもって 月日の経つのは早いこと。。

 

ケアマネになって早二年

やっと一連の流れがつかめるようになってはきたものの 仕事量の多さに日々追われる毎日

「ケアマネの資格なんて取らないほうがまし」 っていう 先輩方のお言葉にも納得してしまう今日この頃…


いあいあ んなこたぁない!やりがいを感じて頑張っておりまする!

ってことにしとこw

あけましておめでとうございます


新しい年を迎え みなさまいかがお過ごしですか?


クオは 例年にたがわず 本日元旦のみのおやすみでございます…

しか~し 去年のオオボケの仕事初めとは違い(2007年1月2日の記事参照 ) 今年は明日からの初仕事に備え ちゃんと新品の長袖の仕事着を用意いたしております 

もちろん確認済みでござりまする( ̄^ ̄)えっへん


同じ間違いは繰り返さない!

これを今年の抱負として 日々精進致す所存でございますぅ

と いうのも…

ここには とて~もかけませんでしたが 仕事では失敗の連続

(((^^;)(;^^) ))アタフタしまくりでしたの~

始末書を 何枚書いたことか…オホホホホ(‐^▽^‐)


失敗は成功の・・・といいますよね?

経験は人生の糧

今年もがんばっていきましょう~(`0´)ノ おぅ!


今年がみなさまにとっても良い一年になりますようにと願いを込めて


         (*^ー^)ノ~~☆・* see you again!

一ヵ月がすぎた早朝 男から電話が入った

 

昨夜遅くに彼女亡くなったよ
今夜19時から通夜 明日12時から葬儀を○○斎場でする
親戚連中にも一応連絡はした

 

○○斎場ですか?
ちょっと意外に思い 聞きなおした
葬儀社は使わないといっていたのに 斎場を借りたりして やっぱり少しは良心が痛んだのかな。。

 

彼女との最期の別れは 通常は家族控え室として使われているであろう小さな畳の部屋だった
普通の棺の中に彼女は冷たく横たわっていた

  良かった。。。ベニヤの棺じゃなくて…
棺の上に 新聞紙に包まれたままのやすっぽい小菊の花が置いてあった

手を合わせ 男に言葉をかけた

 

病院から連絡があって すぐに引き取るように言われた
真夜中だったので 坊さんにいくら電話をしても起きてくれなかったんだよ
お寺にもいったんだけど 門が閉まってて開かないし
さすがにこのまま家に連れて帰るのは気味悪いから
仕方なしに ここにつれてきたんだ

 

…どうせ誰も来やしない
あんたたちだけだよ
彼女も喜んでるよ きっと…

 

言葉の通り 参列したのは男と私と連れのヘルパーだけだった

ずっと以前 彼女から聞いた言葉

 
私の生命保険の受け取りを彼にかえた だから 彼は私を最期まで看る義務がある

 
いくらの生命保険に入っていようが 誰を受け取り人にしようが そこまで追求する権利が私にあるとは思えずに聞き流した言葉であったが 今にして思えば 彼女にとっての賭けだったのかもしれない
もちろん男にとっては 今が最期のヤマ場であるのは間違いなかった

 

一週間が経ち 二週間を過ぎても 彼女の昏睡は続いていた
状態的には回復に向かっているわけではない
しかし 人工呼吸器は外れ 自発呼吸も安定している
足先を触ると 単なる反射であろうが こそばげに動かす
面会に行き声をかけると 今にも目を覚ましそうな錯覚に陥る

 

意識が戻る事はないと思うのですが もともと内臓がしっかりされていたんでしょうね
担当のナースはそう言った

 

三週間が経ち 男がまた 私のところにやってきた

 

引っ越そうとおもっているんだ
今の家は広すぎて 自分一人ではもったいないしね
彼女が戻る事はないだろうから 荷物も全部処分したよ
いやぁ なかなか人間って死なないものだね
おかげで 色々準備ができた
後は葬式をすませて お寺に永代供養を頼むだけだ

 

ここ数日 彼女の家の前を通るとき 「なにやら荷物を運びだしている業者らしい人の姿を目撃した」 と ヘルパーから報告が上がってきていたが たぶん金目の物は全て売り払ったのであろう 男は身軽になる用意を着々と進めていたようだ

 

引っ越し先はもうお決まりなのですか?

いや まだ暫くはあの家にいるよ
彼女のことが片付いたら 沖縄にいって居酒屋でも開こうかな~
ちょっといい物件が手に入りそうなんだ

 

どこでなにをしようと私のしったこっちゃないけど そのお金はどこからでるんだろう。。。
ついこの間まで お金がないって 言ってたのに…
最期まで面倒を看るって…

結局は彼女の死亡保険金を受け取るまでってことなんだろうな