(ヒロシは自分の鬱が酷すぎて反応がないので
もう師匠に頼らないと無理だった)
動物の場合
朝の4〜5時が勝負
だとおっしゃられた
朝仮眠をして起きたら
トビーの身体がふにゃふにゃだった
ぴーんとしてた足さえもやわらかい
腕は昨日のうちにもうふにゃふにゃだった
それは生き返る合図だと本気で思っていた
無知な私
もう朝の6時だった
硫黄の匂いがした
これもなんだかわからなかった
図々しく早起きの師匠に電話する私
「腐敗が始まってるんだな。。」
と言われたけど
でも、まだ温かいんです、
温かいうちは諦められなくて。。
というと師匠は
「思うようにしなさい」
とおっしゃられた
目を見ても力がなく左右に
離れてしまう
それでも諦められず、仲良しの
納棺をやっているお友達に
パワーをもらいに来ていただいた
筋肉がないと死後硬直のあとは
ふにゃふにゃになっていく話
心肺停止しても残ったうんちが
出てくる話を聞いた
朝の私はもうわかっていても
信じたくなかっただけかも
しれなかった
口や鼻からも体液が出てきていた
トビー、よく頑張ったね
と諦める決心をした
息子も辛そうだったけどこの間に
起こった出来事を息子なりに理解した
ようだった
放心状態の私たちを気遣ってお友達が
代わりにお葬儀屋を探してくれたり
シンクに溜まった洗い物をしてくれた
お友達が持ってきてくれた
手作りのりんごスイーツを頬張った
たいして食べていなかったので
こういう気持ちが
本当にありがたかった
納棺をされているお友達なら
素敵な業者さんを探してくれる気がして
最後まで縁に頼った
家の近くの個人業者さんに
夕方16時にトビーを引き取りに
来ていただくことになった
このときもうお昼だったので
遺体の腐敗は進んでいた
私はトビーが冷えないように
タオルをかけてあげたりしてたけど逆に
腐敗を進めるとは思っていなかった
(冬だったから問題はなかったけど)
そんな段階になっても
トビーのお腹は温かかった
お友達も
温かいね。。
と驚いていた
お友達は色々私達のお世話を
してくれた後に帰っていった
私はお友達に話を聞いてほしくて
寂しいと思ったけど
よく考えたら私達だけの時間も
必要だった
私の周りの人達はみんな相手のことを
考えられる人達だ
残りの数時間はまた私、息子、
トビーの時間
トビーの肉体を見れる最後の時間
私は思い出したように
トビーを譲ってくださった方に
お電話した
本当は人懐こいトビーを
キープしたかったのにご厚意で
息子に譲っていただいた感謝の気持ちと
突然死の事を告げたかった
その方も驚いていた
トビーのお母さんは黒猫でまだ1歳
トビーを産んだときほかに4匹
産んだけれど、そのうち1匹は3日後に
病死、もう一匹は交通事故で死亡
あと2匹のメス猫は纏めて同じ方に
もらわれたそう
とにかくトビーを3ヶ月しか
見られなかったという
申し訳なかった気持ちと
この3ヶ月がどんなに素晴らしい
3ヶ月だったかをお伝えした
おかげで
息子も私も成長してトビーに
いつもご機嫌である事の大切さを
教わったと
取り急ぎ簡単にお話してまた後で
改めて電話しようと思った
あとはひたすらトビーに触れていた
息子が
次もトビーがいい
というので
絶対トビーの魂の
入った猫見つけてきて。
人懐こくて、いつもゴロゴロいって
元気な子だからすぐわかるよね?
と言った
あとはこの業者さんが来るのを待つだけだった
会社は思い切って休ませていただき
息子も学校を休んだ