ゴールデンカムイというヤンジャンの漫画が
深夜アニメ化され、なかなかの人気らしい。
そして、そのブームの副産物として、
私の尊敬する偉大な海兵隊狙撃手こと、
ネット上に上がっているようだ。

理由は、この「尾形」というスナイパーの
構え方がハスコックと同じだ。ということ
らしい・・・。本来なら嬉しい話である。

本来ならね・・・。

しかし、この評価には少々訂正がある。
おそらくこの画像の事を言っているのだと
思うのだが、データが間違っているのだ。

実際『山猫は眠らない』でもベケットが
ライフルを望遠鏡代わりにするシーンで、
この構えが使われております。
しかし、射撃シーンはありません。
撃ったら間違いなく上に跳ね上がります。

まぁそこはいい。そこはどうでもいい。
さて、ここで私が最も言いたい事は?

画像の海兵隊員はハスコック軍曹では無い!
という話。根本的な間違いを指摘します。

実はネット上には、間違ってハスコックだと
認識されている人物が、2名存在するのです。
その代表例の一人が⬇︎『彼』です。
じゃあ、この人物は?一体誰なのよ??

彼の本当の名は、第3海兵師団に所属する
『ダルトン・ガンダーソン兵長』です。
ちなみにこの人も射撃しているわけでなく
「敵狙撃手を索敵中」と書かれております。

今から25年ほど前に出版された
「ONE ROUND WAR」という洋書に、
この写真の詳細が掲載されております。

拡散された情報は間違っているのです。

射撃姿勢の人物は、ガンダーソン兵長です!
(もし、後ろの黒人がガンダーソン兵長
だった場合は、私が全力で謝罪します)

それからもう1人、このXM21を持った彼⬇︎
なぜか、この人もネット上では
カルロス ・ハスコックだと言われており、
「狙撃手列伝」というミリタリー本にも、
ハスコック軍曹として掲載されていました。

しかし、この人の別の画像を確認すると
ハッキリと、所属の違いがわかります。
これです。軍装マニアならこれを見ただけで
即納得なのですが、ウチのブログの読者は、
一般的な良識ある方々なので説明します。

肩のワッペンを見てください。
彼は海兵隊ではなく陸軍の所属なのです。
名前までは私にもわかりません。
でも、彼は陸軍の狙撃手であり、海兵隊員の
カルロス ・ハスコックではないのです。
(正しいカルロス・ハスコックの顔認証)
そもそも顔が違いすぎております。
(ベトナム戦争時のハスコック氏)

海兵隊狙撃手なら、どちらかと言えば
チャック・マウィニーに似ておりますが、
マウィニー氏は鼻の横にイボがあります。

ネットの検索は大変便利なのですが、
間違った情報も拡散されております。
ネット上の記録が全て正解だと思う事は、
とても危険です。自分で考えなくなります。

とはいえ、いい例もたくさんあります。
かつて、我々のような狙撃バカの間では、
20世紀が終わるまでの長い期間・・・。

フィンランドの「白い死神」と呼ばれた
伝説のスナイパー!シモ・ヘイヘ少尉が
ず〜っと⬇︎この人だと思われていました。
資料になる書籍を、足で探し回った時代。
海外の情報があまりに希少だった20世紀。
みんな、この人をヘイヘ少尉だと思って
ごく普通に信じていたのです。

ところがネットが普及した21世紀。
本当のシモ・ヘイヘ少尉の画像が、
何の苦労もなく入手可能になりました。

それがコレです⬇︎全然違う人でした。
最初にみたときは衝撃的でした。
「え?これ?ナイナイの岡村くん!?」

じゃあ、今まで俺たちがヘイヘ少尉だと
思ってた人っていったい誰なのよ?

私も知りません。
あれが誰だかわかった人は
コメント欄にご意見をお寄せください。
おしまい。


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