先日、メキシコの観光地アカプルコで大きな地震がありましたが今日はメキシコの地震についてお話させていただきます。
メキシコも日本と同じく地震があります。私が住んでいるグアダラハラはあまり揺れることがないのですが首都メキシコは大きな地震が頻繁にあります。
メキシコ市に出張に行くたびにいつも地震が来ないか心配になるのですが歴史を知るともっと怖くなります。
アステカ帝国が栄えていたころの14世紀に初頭に遡ります。
アステカ人は非常に宗教心が強く、新しく都を築く場所は蛇をくわえた鷲がサボテンに止まている場所だという神官の予言にも基づき、それがあった現在メキシコ市があるテスココ湖湖岸の島とその周辺の沼地にテノチティトランという大都市を築きました。
(現在も蛇をくわえた鷲とサボテンが国旗になっています。)
当時30万人の人口でパリとイスタンブールにならぶ世界有数の大都市だったと言われています。
(ちなみに現在のメキシコ市は人口250万人の巨大都市です。)
都市は湖に囲まれここを拠点として、西は太平洋沿岸、東は大西洋沿岸、南は今のペルー付近のインカ帝国あたりまであったといわれます。
16世紀初頭にスペイン人が侵入し残酷なまでにアステカ帝国を滅ぼします。 男性を殺し女性に乱暴をするだけではなく彼らの崇拝している建物を徹底に壊します。神殿の上にはカトリックの教会が建てられ、物理的だけではなく心理的にも完全に制圧してしまいます。木端微塵につぶされた建物のガラクタや死体は湖の上に捨てられ埋め立ての材料に使われました。そうして出来た地が現在のメキシコ市です。
メキシコ市を訪れる際に思うのはこの巨大都市はアステカの墓場の上に築かれた場所なんだと考えると複雑な気持ちになります。
ともあれ、メキシコ市は湖を埋め立てた上に建設された都市です。
従いまして当然地盤が弱いため地震にめっぽう弱いのは当然といえます。現地に住んでいる友達からもよく聞くのですが家の柱が少しずつ傾いてきたとか、梁が水平でなくなってきている、ドアが閉まりにくくなってきたとかよく聞きます。
最新の高層建物はかなり深い地盤まで杭を掘っているので大丈夫かと思いますが古い建物はちょっと危険かと思います。
覚えていらっしゃられるかと思いますが1985年9月にメキシコ大地震があり多くの建物が崩壊し1万人以上の死者が出ました。
メキシコ市から東京-大阪間ぐらい離れているグアダラハラでさえもかなりの揺れがありパニックぎみだったそうです。
(その後、メキシコ市は危険だということで大勢の人がグアダラハラに移住してきて現在のように都市が膨らんできたということです。)
メキシコ大地震のマグニチュードは8ですが震度は5強で他の大地震に比べると大きくないにもかかわらず多くの建物が崩壊した理由はやはり地盤にあったようです。 地盤が弱いため建物が沈下しやすく2秒位の揺れの間隔が長い地震がきたため、一部の建物が共振して倒壊したようです。
当時、ラテンアメリカでもっともモダンだとされ上流階級が住んでいたヌエボレオン棟という建物も地震で崩壊しました。

建物の想定荷重より3倍の地震力が作用し低層階にヒビがは入り、建物の固有周期が1秒から2秒になり共振して崩壊にいたったとされています。
この大地震で多くの建物が壊れましたが問題なかった建物もあります。代表例が当時ラテンアメリカで最も高いビルだったラテンアメリカタワーです。

これは妻に聞いたのですがメキシコ市以外の人は親類の行方が気になりその情報をテレビに委ねていましたが地震の揺れがかなり酷いにもかかわらず建物が崩壊するまで生中継で実況を行い続けた下記の中継はメキシコ人に今でも感動を与えているそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=4UqbteQsinE
現在に話を戻しますと、メキシコの設計は地震があるにもかかわらず一部の重要建築物を除き、耐震設計が甘いと言えます。
メキシコの設計は基本的に米国のものを真似たものになっていますが構造が軽視され意匠性とコストを優先されてしまいます。
そのコストについても賄賂が横行し厳しい役所のチェックがないために(むしろ役人がすすんで汚職しているので)設計が簡単に通ってしまいます。若い世代は此の汚職社会に疲れきっているので数十年後が変わってくると思うのですがこれが実情です。
個人的に日本のシステムのいい点だと思うのですが日本では大学の建築学科に入るとすべての学生がひと通り構造エリアを学び、実務になると建築事務所と構造事務所が独立に存在しています。
したがって建築をされる方が少なからず構造を大切に考えられているということがあると思います。
守備範囲がはっきりしている米国でさえもエンジニアリング事務所が独立していて責任範囲がはっきりしています。
メキシコの建築分野ではこれが弱みなところです。構造はあまり重要視されていなく意匠が完全に実権を握っているので設計事務所のなかに一分野として置かれているか、一握りの優秀なエンジニアが個人として下請けとして雇われているのような状況です。
当然、コスト重視ですので徹底的に叩かれますので多くの学生は意匠の方に進みますので構造分野では人材不足です。 構造を希望する優秀な学生は米国など海外に流出しています。
しかしながら、最近はデザインが奇抜になってくる傾向があるので当然構造を軽視するどころか、構造を考えないと成り立たない構造デザインが見直しされてきているのはいい傾向だと思います。
世界一のメキシコの億万長者カーロス スリムの博物館はいい例です。

地震に関しては日本の耐震設計の技術、法律のいい点がメキシコに採用する日が来る日も近いとおしゃっていた役人の方がいましたが早く構造を重要視される日が来るのを待ち望みます。
まずは汚職の一掃が先かなと思いますが…
メキシコも日本と同じく地震があります。私が住んでいるグアダラハラはあまり揺れることがないのですが首都メキシコは大きな地震が頻繁にあります。
メキシコ市に出張に行くたびにいつも地震が来ないか心配になるのですが歴史を知るともっと怖くなります。
アステカ帝国が栄えていたころの14世紀に初頭に遡ります。
アステカ人は非常に宗教心が強く、新しく都を築く場所は蛇をくわえた鷲がサボテンに止まている場所だという神官の予言にも基づき、それがあった現在メキシコ市があるテスココ湖湖岸の島とその周辺の沼地にテノチティトランという大都市を築きました。
(現在も蛇をくわえた鷲とサボテンが国旗になっています。)
当時30万人の人口でパリとイスタンブールにならぶ世界有数の大都市だったと言われています。
(ちなみに現在のメキシコ市は人口250万人の巨大都市です。)
都市は湖に囲まれここを拠点として、西は太平洋沿岸、東は大西洋沿岸、南は今のペルー付近のインカ帝国あたりまであったといわれます。
16世紀初頭にスペイン人が侵入し残酷なまでにアステカ帝国を滅ぼします。 男性を殺し女性に乱暴をするだけではなく彼らの崇拝している建物を徹底に壊します。神殿の上にはカトリックの教会が建てられ、物理的だけではなく心理的にも完全に制圧してしまいます。木端微塵につぶされた建物のガラクタや死体は湖の上に捨てられ埋め立ての材料に使われました。そうして出来た地が現在のメキシコ市です。
メキシコ市を訪れる際に思うのはこの巨大都市はアステカの墓場の上に築かれた場所なんだと考えると複雑な気持ちになります。
ともあれ、メキシコ市は湖を埋め立てた上に建設された都市です。
従いまして当然地盤が弱いため地震にめっぽう弱いのは当然といえます。現地に住んでいる友達からもよく聞くのですが家の柱が少しずつ傾いてきたとか、梁が水平でなくなってきている、ドアが閉まりにくくなってきたとかよく聞きます。
最新の高層建物はかなり深い地盤まで杭を掘っているので大丈夫かと思いますが古い建物はちょっと危険かと思います。
覚えていらっしゃられるかと思いますが1985年9月にメキシコ大地震があり多くの建物が崩壊し1万人以上の死者が出ました。
メキシコ市から東京-大阪間ぐらい離れているグアダラハラでさえもかなりの揺れがありパニックぎみだったそうです。
(その後、メキシコ市は危険だということで大勢の人がグアダラハラに移住してきて現在のように都市が膨らんできたということです。)
メキシコ大地震のマグニチュードは8ですが震度は5強で他の大地震に比べると大きくないにもかかわらず多くの建物が崩壊した理由はやはり地盤にあったようです。 地盤が弱いため建物が沈下しやすく2秒位の揺れの間隔が長い地震がきたため、一部の建物が共振して倒壊したようです。
当時、ラテンアメリカでもっともモダンだとされ上流階級が住んでいたヌエボレオン棟という建物も地震で崩壊しました。

建物の想定荷重より3倍の地震力が作用し低層階にヒビがは入り、建物の固有周期が1秒から2秒になり共振して崩壊にいたったとされています。
この大地震で多くの建物が壊れましたが問題なかった建物もあります。代表例が当時ラテンアメリカで最も高いビルだったラテンアメリカタワーです。

これは妻に聞いたのですがメキシコ市以外の人は親類の行方が気になりその情報をテレビに委ねていましたが地震の揺れがかなり酷いにもかかわらず建物が崩壊するまで生中継で実況を行い続けた下記の中継はメキシコ人に今でも感動を与えているそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=4UqbteQsinE
現在に話を戻しますと、メキシコの設計は地震があるにもかかわらず一部の重要建築物を除き、耐震設計が甘いと言えます。
メキシコの設計は基本的に米国のものを真似たものになっていますが構造が軽視され意匠性とコストを優先されてしまいます。
そのコストについても賄賂が横行し厳しい役所のチェックがないために(むしろ役人がすすんで汚職しているので)設計が簡単に通ってしまいます。若い世代は此の汚職社会に疲れきっているので数十年後が変わってくると思うのですがこれが実情です。
個人的に日本のシステムのいい点だと思うのですが日本では大学の建築学科に入るとすべての学生がひと通り構造エリアを学び、実務になると建築事務所と構造事務所が独立に存在しています。
したがって建築をされる方が少なからず構造を大切に考えられているということがあると思います。
守備範囲がはっきりしている米国でさえもエンジニアリング事務所が独立していて責任範囲がはっきりしています。
メキシコの建築分野ではこれが弱みなところです。構造はあまり重要視されていなく意匠が完全に実権を握っているので設計事務所のなかに一分野として置かれているか、一握りの優秀なエンジニアが個人として下請けとして雇われているのような状況です。
当然、コスト重視ですので徹底的に叩かれますので多くの学生は意匠の方に進みますので構造分野では人材不足です。 構造を希望する優秀な学生は米国など海外に流出しています。
しかしながら、最近はデザインが奇抜になってくる傾向があるので当然構造を軽視するどころか、構造を考えないと成り立たない構造デザインが見直しされてきているのはいい傾向だと思います。
世界一のメキシコの億万長者カーロス スリムの博物館はいい例です。

地震に関しては日本の耐震設計の技術、法律のいい点がメキシコに採用する日が来る日も近いとおしゃっていた役人の方がいましたが早く構造を重要視される日が来るのを待ち望みます。
まずは汚職の一掃が先かなと思いますが…