いま、がんばっておられますね。
いろんなこと。
もちろん半年ぶりの生ステージに向けても。
笑顔で前向き、強気に。
でも、
相当戦っておられると思います。
なんの力になるとも思えませんが、
私から五郎さんへエールです。
この絵は私にとっては
五郎さんを描いた中で特別なもの
〜19歳、美術短大の進級制作です。
これは一辺100㎝ほどもある大パネルに鉛筆だけで描く『スケール・アウトによるスーパー・リアリズム』という進級制作課題でした。
何を描くか考えた末、五郎さんの詰まった缶詰を開ける(五郎さんの言う“秀樹さんを解放”とは違うかもしれないけれど)〜私の中の五郎さんの解放だった気がします。
中学3年で初めて美術作品に誰にも分からない自分だけがわかる五郎さんを描き、その不思議な絵を先生に評価され、それが美術コースのある高校への進学のきっかけになりました。
そこからどうしても思いを描こうとすると登場してしまう五郎さん。
短大では実験的な課題が多く五郎さんを描くこともなくなっていましたが、この進級制作で初めて、そしてこれを最後にしようと決めてこの題材にしました。
絵の上手な人は幾らでもいて、どうしても大雑把な性格が出てしまう私はいつもどこかで力尽きることが多くて、成長がない。
心に決めた思いで描き始めたこの絵も、途中で迷いが出てきました。
それを救ってくれた人が二人います。
一人はこの課題の担当教授。
今思うと当時まだお若かっただろうその男性教授に自分が描いているものに迷いが出てきたことをポソっと言うと「なんで、いいと思うよ」と、ギターを持つ五郎さんを見ながら穏やかに力強く言ってくださった。
先生方と話す方ではない私がこの先生と交わした会話はやはりこれしか記憶にない。のちにこの先生は早く亡くなられたことが耳に入ってきた。
もう一人は学科の違う少しヤンチャそうな目立つ感じの女子が私の学科の制作室に自分の友人に会いに来たついでに、私の側へ来て〜わたしも野口五郎が好きなんだ〜言葉は覚えてないけれどそれを伝えに来たのだった。
やっぱり内気でどう返したか覚えてないけどすごく嬉しかった。
普段イカつそうな彼女も勇気を出して声をかけてくれたと思うから尚更。
そんな後押しもあって、大雑把な私が一本の鉛筆に込めて描ききれた。
大きく重いパネルなのでほとんどの学生が学校に置いたまま進級〜卒業した。
私も同じく。
製作室で撮った写真が一枚。
色あせたアルバムに残っているだけですが、好きな作品です。
(作品は進級・卒業制作展として京都市美術館に展示されました)
おつかれさま。
願わくばここからは・・
もうすぐ叶う
歌うこと に
穏やかに集中できる
日々でありますように。