涼しくなってきたので、プチ入れ替えをし、
昨日も、扇風機をしまったり、ビーサンをしまったり、
徐々に『夏』が冬眠を迎えています。
先日、チャッピの『お膝お腹籠城事件』のお話をしましたが、
あまりの引っ付きように、寒くて人恋しいのかもと思い、
今からエアコン漬けではなんなので、
子供のころから使っているホッカマットを出してあげました。
そしたらね、大喜びで、
トイレに行っても、ご飯を食べに行っても、
即行一直線にマットへ戻ってくる。
夜だって、
ちゃんと一人で寝れる。
お気に入りなのは嬉しいのですが。。。
膝に来ても数十秒でマットへ。
しかも膝に乗る時から視線はマット。
ホッカマット > 私の膝
仕事ははかどるし、腰は痛くならないし、いいことだらけ。
ですが、何とも言えない敗北感と寂しさ…。
話は変わって、先週末ですが、
人間国宝の小林邦衞さんの講演会へ行ってきました。
髹漆(きゅうしつ)、つまり漆塗りの職人さん。
私がチョークアートをやっているので、
『こういう工芸も見ておくといいわよ』と、
お茶会でご一緒している方が誘ってくださいました。
漆ってかぶれるって言うでしょ?
だから職人さんって大変だわ~とか、
手入れが面倒だから(母の受け売りで)使わないとか、
やたらと不便なイメージが強かった漆器。
(でもそんなことはなく、水で洗ってサッと拭くだけの簡単お手入れでOK)
『うるし』は400種類ほどあり、日本には6種類が存在していて、
実際1本の木から採れる漆液は180ccほど。
しかも漆液が採れるのは10~13年育った木からだそうで、
漆製品の約97%は輸入漆が使われているんだとか。
そのため国産はだった3%。
そして、『日本の建造物には国産漆を使うように』というお国からのお達しで、
より国産は手に入らなくなってきているという、
そんな漆の世界。
この日講演された人間国宝の小林さん、
なんともすごいところが、出来上がった器に漆を塗るのではなく、
器を作るところ、つまり、
正しく言うなら、器を作る木(竹)を伐採するところから手掛けている。
竹を切り倒し、1年間乾燥させ、
自身で作った設計図に合わせ加工するためのサイズに切り出し、
組み立て漆を塗る。
思った色を出すため、当然色作りも行い、
網代の組み方や曲げ輪の作り方も学び、ひとつひとつ丁寧に自分の手で仕上げている。
それは、『出来上がった器に細工を施すだけで本当に自分の思っているものが出来上がるのか?』
という疑問からだという。
素晴らしい!
でもその気持ち分かるわ~。
これがものづくりの大変さでもあり楽しさでもあるんだと思う。
この講演会の中では小林さんの漆器ができるまでの上映がありましたが、
その工程の緻密さと仕上がりの素晴らしさには息をのむみます。
この映画は、平日、明治大学(駿河台キャンパス)内の明治大学博物館で、
同じものを見ることができるそうです。
曜日により上映できない日もあるようなので、
ご興味のある方は、ぜひお問い合わせしてからお出かけください。