ネットニュースで、私がいま、欠かさず読んでいるのが、倉本總のインタビューです。


「倉本總、ここだけの話」というタイトルで、碓井広義さんという、元テレビマンユニオンにいた方がインタビュアーですので、ポイントの押さえ方が絶妙です。


いま、大河ドラマ、「勝海舟」の頃のことが語られておりますが、勝海舟の父親である、勝小吉のキャスティングの時のいきさつが、実に面白いのです。


倉本さんは、小吉には尾上松緑を希望していたのですが、NHKは無理だと断られておりました。しかし、どうしても諦めきれない倉本さんは、直談判を決意しました。


岩井半四郎など、知り合いの歌舞伎役者に、松緑さんの性格などをリサーチし、大阪の新歌舞伎座の幕間を狙って、土下座までしたというのです。


そのことを意気に感じた松緑さんは、入っていたスケジュールをキャンセルして、出演を決意したそうです。


私は、中学生のとき、リアルタイムで見ましたが、当然ながら尾上松緑という歌舞伎役者が、人間国宝だったとは全く知るよしもありません。


しかし、この方が、とんでもない役者であることは、ガキの私にも見ていればわかりました。


いまでも覚えているのが、久我美子扮する、妻の信に向かって、「信、湯をくんな」と声をかけるところで、ああ、これが江戸弁なのだ、粋というものなのだと感じたのです。


そのネットニュースに入っていたコメントのなかに、勝小吉といえば、「勝海舟」の尾上松緑か、「小吉の女房」の時の古田新太が双璧だとありましたが、とんでもない。


古田新太さんが、いい役者なのはわかります。しかし、比較してはいけません。レベルが違いすぎるのです。はっきり申しますが、あんな佇まいを持った役者、あんな江戸弁を使える役者は、いまの日本のどこを探してもおりません。


ちなみにいま、「勝海舟」のビデオは、ほとんど残っておりません。もし、そのコメントを書いた方が本当に見ているのなら、私以上の年齢でないと、見ること自体が不可能なのです。


本当に、見てます?


※私は、当時、カセットテープに、音だけ録音したものを持っておりましたが、どこかにいってしまきました。