昨日の、「リラの花咲くけものみち」は、口蹄疫を真っ正面から描きました。
この感染症は、一頭でも発症が確認されたら、その牧場にいる全ての家畜を、殺処分しなければなりません。
温水洋一扮する牧場主、折原のところで、口蹄疫の疑いがある牛が発見されます。その牧場主は、上川隆也扮する犬飼と、幼馴染でした。
厳格な検査が行われ、陽性が判明します。そのことで全頭殺処分が確定され、山田杏奈扮するさとりや、甲本雅裕扮する能見も、チームに参加して、殺処分を行わなければなりません。
しかし、そこには、かつてさとりが出産に立ち会い、さとと名付けられた牛と、その母牛もおりました。
例えば、鳥インフルエンザが見つかったら、何万という鶏が殺処分になったというニュースが報道され、そのことに私達も慣れておりましたが、そのたびに何万の命が消えていくのです。
どう撮影したかはわかりませんが、牛を殺処分する描写が、えらくリアルです。薬を注射して殺すのですが、薬が効いて牛が倒れる音がたまりません。
ドサッ、ドサッと音がするたびに、牛の命が消えていくのです。命が失われる音なのです。命の重さの音なのです。
私も、親類に牧場を営んでいる方がおりましたので、どれだけ酪農が大変な仕事なのかは、よくわかっております。しかも、どんなに注意を払っていても、ひと度伝染病が発症すれば、何もかもを失ってしまう。
ドラマは、その過酷さ、危うさを、誇張することなく、極めて忠実に伝えておりました。NHKは、また良い仕事をいたしました。